介護老人保健施設の仕事内容を紹介|給与や働くメリットもあわせて解説

本記事では、介護老人保健施設で約6年働いたことのある筆者が、介護老人保健施設の仕事内容、多職種のチームケアの詳細などについて解説しています。

経験者のリアルな仕事内容に加えて、働くメリットや大変なこともあわせて紹介していますので、最後までご覧ください。

介護老人保健施設(老健)とは

介護老人保健施設は、介護を必要とする高齢者の自立を支援するため、医師による医学的管理のもと、日常生活においての看護や介護のケアを提供しています。

さらに、介護老人保健施設では、在宅への復帰を目指すため、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士によるリハビリテーションだけではなく、栄養管理から食事・排泄・入浴などの介助など、日常生活が送れるように支援していきます。

介護老人保健施設の基本情報

介護老人保健施設は、在宅強化型と通常型の2種類に分かれます。

在宅強化型は、在宅復帰率が50%超えていることと、ベット回転率10%以上などの条件があります。
通常型については、在宅復帰率やベット回転数に決まりはありません。

次に、人員配置についてみてみましょう。

医師入居者100人に対し1人
薬剤師入居者300人に対し1人が標準
看護職員
介護職員
入居者3人に対し1人以上
うち、看護職員は2/7以上
リハビリ専門職入居者100人に対し1人
支援相談員100人に対し1人以上
介護支援専門員1人以上/入居者100人に対し1人が標準
調理員・事務員 など実情に応じた人数

介護老人保健施設は、福祉施設の中でも人員配置が細かくなっています。
上記は最低限度の人員配置で、実際にはこれ以上の数の職員が働いています。
実際に筆者が働いていた100人規模の施設では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などあわせて5名以上のリハビリ専門職が勤務していました。

人員配置通りの人数しかいないと、100人規模の大型施設の場合ではご入所者様に対してリハビリ専門職の人数が明らかに少ないです。
リハビリ職が100:1ではじゅうぶんにケアができないため、人員配置よりも多い人数を配置している施設も多くあります。 

介護老人保健施設はあくまでリハビリテーションを提供し、在宅復帰をしてもらうことが目標のため、リハビリテーションの位置づけは重要になります。

介護老人保健施設の仕事内容

では、介護老人保健施設ではどういった仕事をするのか、介護職員の仕事別に内容を紹介していきます。

身体介護(食事・排泄・入浴)

介護老人保健施設でおこなう身体介助は、食事・排泄・入浴が主な内容です。

食事については、配膳から食事介助までの一連でご入居者様に必要な介助をしていきます。
食事摂取は、自立のご入所者様には配膳車からお膳の提供、配茶をし、手先が使えずご自身で食事をするのが難しいご入所者様には、一連の動作をすべて介助していきます。

排泄については、定時のトイレ誘導に加え、ご入所者様のタイミングにあわせて声かけし排泄を促していきます。
オムツ介助の方には、ベットへの臥床介助から陰部洗浄などを支援し、ご入居者様のプライバシーに配慮しながら介助します。

入浴の場合は、衣類の着脱や浴室での洗身などを介助します。自立度の高いご入所者様であっても、足もとが濡れていることから転倒の危険があるため、職員は必ず見守り・付き添いをしていきます。
寝たきりのご入所者様については、寝たまま浴槽に入れる機械浴などで介助していきます。
入浴介助をする場合も、排泄介助と同様に、ご入所者様の羞恥心に配慮しながら気持ちよく入浴できるよう支援していきます。

それぞれの介護業務についてくわしく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。

生活支援(掃除・洗濯・外出)

掃除や洗濯や外出については、介護職員が対応したり業者にお願いしたりすることが多く、ご入所者様自身でおこなうことは少ないといえます。
なぜなら、介護老人保健施設は、掃除・洗濯・外出をすることが困難な、要介護認定を受けているご入所者様が多いからです。

要介護の方は、日常生活において介助する場面が多いので、必然的に介護老人保健施設での生活支援は、介護職員がおこなうことがほとんどです。

自分でできるご入所者様とは、一緒にベットメイキングをしたり、洗濯機を自分で使って頂けるようボタンの使用方法を伝えながら付き添い支援します。

集団リハビリテーション

介護老人保健施設では、集団リハビリテーションを実施しています。
主にリハビリの専門職が行うことが多いですが、曜日などを割り振って介護職員が受け持つこともあります。
その場合、リハビリの専門職から実施方法や内容のレクチャーを受け、介護職員が実施します。
内容の多くは、ストレッチや体操、脳トレなどです。

身体機能がさまざまなご入所者様に対して、幅広く参加頂けるよう配慮した内容を実施していきます。

体調管理

介護老人保健施設は、医師の医療管理を必要としている方がご入所される施設なので、介護職員は看護職員と協力し、ご入所者様の体調管理に努めています。

「普段の血圧よりも少し高めだな」「排便が〇日ないな」などのささいな体調の変化にも注意して観察することが重要です。
異変があれば、迅速に報告し、医師の指示を仰ぐ対応をします。

イベント企画、開催

1日を同じライフスタイルで過ごすご入所者様は、日々の生活にハリがなくなり、認知症の進行や身体機能の低下が起こりやすいです。
そこで、介護職員は施設生活の中でもご入所者様に刺激を与え、また、定期的な楽しみを作ることで身体機能の維持や認知症状の緩和などにアプローチします。

季節の行事や施設の周年祭などの大きなイベントから、毎月のご入所者様の誕生日会などさまざまなイベントを企画し、施設生活に楽しみを見いだすことができるよう努めています。

介護老人保健施設での働き方

次に、介護老人保健施設で仕事をする介護職員の1日のスケジュールを紹介します。

介護老人保健施設の介護職員は、24時間体制のシフト勤務で働いています。
筆者が働いていた際の一例ではありますが、それぞれの勤務時間をまとめました。

早番7:30~16:30
日勤8:30~17:30
遅番11:30~20:30
夜勤17:30~翌9:00

施設によっては2交代制ではなく、準夜勤がある3交代制のところもあります。

介護老人保健施設はリハビリに特化しているため、ご入所者様の残存機能を活かした支援を意識しています。残存機能とは、ケガや病気で障害を追った人に残っている機能のことです。

介護職員の仕事は、食事・排泄・入浴・掃除・洗濯ができるよう残存機能を活かしながら、自立を促す支援を提供しています。

介護老人保健施設は、この残存機能を最大限発揮できるよう支援することが求められます。

では、次章にてくわしく介護職員の仕事内容を説明します。

介護職員の日勤の仕事について

日勤帯の介護職員は、ご入所者様のスケジュールに合わせて動きます。

ご入所者様
スケジュール
介護職員
スケジュール
担当勤務帯
8:00~体調確認(検温)早番
8:30~申し送り日勤
9:30~入浴(週2日)入浴介助早番
10:00~体操体操指導日勤
10:30~排泄排泄介助日勤
11:30~おしぼりの準備など
軽作業
昼食準備遅番
12:00~昼食食事介助日勤・遅番
13:00~口腔ケア
昼寝
口腔ケア
臥床介助
日勤・遅番
14:00~集団リハビリ集団リハビリ実施遅番
15:00~おやつ食事介助日勤・遅番
15:30~排泄排泄介助日勤・遅番
16:30~個別リハビリ個別リハビリ指導日勤
17:00~申し送り日勤

筆者の施設では、上記ように仕事の分担がされており、各勤務帯で協力してご入所様を支援していました。

さらに、介護老人保健施設は各フロアに看護職員が配属されているので、看護職員と介護職員が協力して仕事をします。
看護職員も介護職員と一緒に、食事・排泄・入浴の介助をしてくれるため、介護職員にとっては頼もしい存在になります。

介護職員の夜勤の仕事について

次に、夜間帯の介護職員の動きを説明します。

ご入所者様
スケジュール
介護職員
スケジュール
担当勤務帯
17:00~申し送り日勤
17:30~夕食準備
お茶配りなど軽作業
洗濯物をたたむ
お茶の用意
遅番
17:45~夕食
服薬
食事介助
服薬介助
遅番・夜勤
18:30~口腔ケア
排泄
口腔ケア
排泄介助
遅番
20:00~眠前薬服薬
就寝準備
服薬介助
就寝介助
夜勤
21:00~就寝消灯夜勤
23:00~排泄排泄介助夜勤
0:00~巡視夜勤
2:30~排泄排泄介助夜勤
3:30~巡視・記録記入夜勤
6:00~起床起床介助夜勤
7:15~朝食準備
おしぼり準簿
朝食準備
食前薬服薬介助
夜勤
7:30~朝食食事介助早番・夜勤
8:30~口腔ケア
排泄
臥床
口腔ケア
排泄介助
臥床介助
早番

介護老人保健施設が他の施設と異なる点は、夜間帯に看護職員が常駐していることです。
このことは、介護職員にとって非常に心強いことです。

万が一緊急対応が必要になった場合でも、基本的には管理者である医師からの指示で看護職員が適切な対応をしてくれます。

筆者は、施設に就職して間もない時期に緊急対応を経験しましたが、経験はなく正直マニュアルも理解していない状態でした。ですが、看護職員の緊急対応をその場で見て経験させてもらえたことで、その後のスキルアップに役立ちました。

介護職員として医療的ケアの経験を積みたいのであれば、介護老人保健施設をおすすめします。

その他の連携している職種の役割について

前述したように介護老人保健施設は、さまざまな職種と連携することで、ご入所者様の在宅復帰を後押しします。 
その他職種の役割とともに、施設内のチームケアをどのようにしているのか解説します。

ハビリテーション職

リハビリテーションには、専門資格をもった指導員が配置されています。

【理学療法士(PT)】
理学療法士は、運動療法や物理療法を用いて、自立した日常生活を送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職のことです。

【作業療法士(OT)】
作業療法士は、誰でも普段おこなっている作業を用いたリハビリテーションで「基本的動作能力」「応用的動作能力」「社会的適応能力」を向上させるために支援する専門職です。

食事を自分で食べられるようになるためのリハビリや、排泄が1人でできるようになるリハビリ、洗濯ものをたたんで手先を動かせるようになるリハビリなど、細かいことまで対応しています。

【言語聴覚士(ST)】
言語聴覚士は、主に聞く・話す・食べるに特化した専門職です。
言葉によるコミュニケーションに問題がある方に対して、自分らしい生活を構築できるようリハビリをしています。

介護職員は、定期的に提供されるリハビリテーションの支援計画を確認し、担当のご入所者様のリハビリ状態を把握し、必要であれば担当のリハビリ職と情報共有をしていきます。

筆者が現場で勤務していた時に、担当のご入所者様がトイレ介助の際に立ち上がれなくなりました。
このことを担当の理学療法士に相談すると、すぐに現場を確認しにきてくれ、
「このご入所者様は、左足の可動域がここまでしかないから、立ち上がる時の足の位置を確認すれば少し楽に立ち上がれるよ。」
とアドバイスをくれました。
この経験は、リハビリ職の専門的な目線を事例として積み重ねる良い経験になりました。

管理栄養士(RD)または栄養士(Dt)

栄養士は、厨房の調理員に食事形態の変更届を出したり、食事メニューの希望アンケートをしたり、体重から栄養価の計算をしています。

筆者は担当のご入所者様のカンファレンス時に、栄養士が評価しているBMI等の確認をし、各職種で話し合いをしたことがありました。
少し体重が多いと認識したので活動量を増やすために、「この時間とこの時間は、起床してフロアで軽作業をしてもらうようにしよう」などと支援方法を決めていたこともありました。

支援相談員(SW)とケアマネジャー(CM)

支援相談員とケアマネジャーは、仕事内容が重なる部分もあるため兼務している場合もあります。
担当業務は、入退所対応や家族との連絡、ケアプランの作成など主に事務作業です。
介護職員との関わりは連絡事項などのやり取りが主で、定期的にケアマネジャーが作成したケアプランについてのカンファレンスなどになるでしょう。

看護職員(Ns)

看護職員は、往診の対応や服薬管理(介助)、外傷の手当、夜間帯の見守り(緊急時対応)カルテ記入などを担当しています。
看護職員や介護職員と同様にフロアに配置されていることが多く、協力してケアにあたっています。
介護職員は困りごとがあれば、まず看護職員と情報共有をし、対応するように努めましょう。

このように、介護老人保健施設では多方面からご入所者様にアプローチができるため、チームケアを学びたい介護職員にはぴったりといえるでしょう。

老健の介護職員と似ている看護助手

老健の介護職員は、24時間体制でご利用者様の暮らしを支援しながら、医療ケアやリハビリのサポートにも関わります。幅広い業務に携わる点で共通するのは「看護助手」です。

看護助手は医療機関で働く、無資格でも挑戦できる職種です。看護師の指示のもとで身体介助や環境整備、患者様のサポートをおこないます。病棟勤務の場合は、入浴介助や排泄介助、食事介助など、高い介護スキルが求められるケースが多いです。

両者は働く場所や呼称、ケアの対象に違いがあるものの「人を支える」「チーム医療に関わる」という点ではよく似ています。看護助手の役割との違いと共通点を知っておくと、より広い視野で介護・医療現場をとらえることができるでしょう。

介護施設だけでなく、病院やクリニックなどの医療機関も職場として検討したい人は、下記の記事も読んでみてください。

介護老人保健施設(老健)で働く5つのメリット

たくさんある介護施設の中でも、介護老人保健施設で働くメリットをご紹介します。

  • 医療的ケアの知識を身につけられる
  • 緊急時の対応に安心感がある
  • チームケアで多方面からアプローチできる
  • 介護技術の向上ができる
  • レクリエーションはリハビリの専門職が実施する場合がある

1つずつ見ていきましょう。

医療的ケアの知識を身につけられる

介護老人保健施設に就職した介護職員が、はじめに身につけられるのが医療的ケアの知識です。

介護職員としてスキルアップをする上で、不足しがちな要素として医療的ケアの知識や経験が挙げられます。
理由は、介護福祉士はあくまで福祉分野の勉強が中心だからです。介護福祉士になるための受験勉強で学ぶのは、あくまで福祉分野での介護技術や介護保険制度についてです。
医療については、最低限の勉強をするだけなので、難しい医療用語や現場で当たり前に使われている薬の名前などをくわしく知ることはできません。

筆者のはじめての介護現場だった介護老人保健施設では、たくさんの医療現場用語が飛び交っていました。
例えば、「パンカマ」という薬の名前です。
はじめはなんの薬の話なのかさっぱりわからなかったのですが、看護職員に聞くと、「パン→パントシン」「カマ→酸化マグネシウム」の混合薬で便秘に対して処方されているものでした。
このような知識をたくさんインプットできたため、徐々に1人前に成長することができたように感じます。

そのため、介護老人保健施設で働くと教科書からだけでは得られない経験を通じてアウトプットもできるためおすすめです。

緊急時の対応に安心感がある

介護老人保健施設での仕事で1番といってもいいくらい安心できるのは、夜間の緊急時でも看護職員が常駐していることです。

筆者が何度か経験した例でいえば、夜間帯の巡視時にご入所者様の呼吸が止まっている状態を確認した時のことです。
様子がおかしいご入居者様を確認しましたが、突然のことだったのでどうしたらいいかあたふたしてしまいました。ですが、看護職員が常駐している安心感からか落ち着くことができ、すぐに看護職員を呼び、心肺蘇生から救急隊に引き渡すことができました。
何よりよかったことが、看護職員の指導で実際に心肺蘇生を実施したことです。
この経験は、今目の前で倒れた人がいても冷静に対応ができるという自信につながりました。

チームケアで多方面からアプローチできる

前述でもご紹介したように、介護老人保健施設の強みは、多方面からご入所者様にアプローチができるチームケアです。

受傷してから比較的早い段階でご入所される施設のため、迅速なアプローチによって状態が改善することも大いに期待できます。
高齢になると、失った機能を取り戻すことは非常に難しいことです。
ですが筆者は、介護老人保健施設の現場にいた約6年のうちに、在宅生活へ復帰できたご入所者様の軌跡を数度ではありますが、見届けることができました。
介護職員としてそういった経験は、何度もできることではありません。

介護老人保健施設は、そういった高齢者の身体面や精神面の向上に向けて、各専門職が集まりうまく機能させることができる数少ない施設だと身をもって感じました。

介護老人保健施設で、チームケアやアプローチ方法を学べれば、どこの施設に転職しても不安なく働けるのではないでしょうか。 

介護技術の向上ができる

介護老人保健施設には、カラダに詳しいリハビリの専門職が何人もいるため、介護技術向上のための助言をもらうことができます。

ご入所者様は、それぞれ身体機能に特徴があるので、全員同じように介助をするわけにはいきません。
対象となるご入所者様の身体機能の特徴にあわせて、介護方法にアドバイスをもらって実践することで、介護技術の向上ができるといえます。

レクリエーションはリハビリの専門職が実施する場合がある

介護老人保健施設では、レクリエーションをリハビリの専門職が受け持つ場面があります。
理由は、介護老人保健施設は少なくとも週2回程度は集団リハビリテーションを行うこととされているからです。

レクリエーションの企画や実施が苦手な介護職員も多いと思います。
苦手な人にとっては、勤務時間の中でレクリエーションの企画書の作成をしたり、準備品の買い出しにいったりなど、手間がかかるだけではなく残業時間でおこなうこともあるレクリエーションの回数が減るのはメリットといえるでしょう。
筆者が勤務していた施設では、週2回の余暇活動を機能訓練指導員が実施してくれており、非常に助かりました。

もちろん、手が空いた時はお手伝いもしますし参加もしていましたが、1番のメリットは集団リハビリテーションを実施している間に、やらなければいけない他の仕事に取り掛かれることでした。
介護職員が担当する余暇活動を、かわりにリハビリの専門職がしてくれることは、大きなメリットです。

介護老人保健施設(老健)で働くと大変なところ3選

では、介護老人保健施設で働く場合の大変なところをご紹介します。

  • ご入所者様の入れ替わりが多い
  • 他職種と意見の相違がある
  • 介護職員もリハビリを実施する場面がある

1つずつ見ていきましょう。

ご入所者様の入れ替わりが多い

介護老人保健施設の入所期間は、在宅強化型であると約3ヶ月~6ヶ月になり、ご入所者様の入れ替わりが多くあります。
理由は、リハビリテーションをおこない在宅復帰を目指す施設であるため、長期的に入所する施設とはされていないからです。
また、ベットの回転率が介護報酬に影響する場合もあるので、ご入所者様の入れ替わりを推進している施設もあるようです。 

介護職員は、入退所時には荷物チェックをしたり、薬の説明をしたり、掃除、ベットメイキングなどをおこないます。
対応は多くなりますが、入れ替わりが激しい分さまざまなご入所者様に関わることができ、スキルアップにつながるでしょう。

他職種と意見の相違がある

介護老人保健施設では他職種との連携がたくさんあるがために、アプローチ方法に相違が出てきてしまいがちです。リハビリ・医療・福祉など、それぞれ勉強してきた内容や視点に違いがあることが理由でしょう。

ですが、持っている基礎知識が違うからこそ、多方面からの意見や提案が活発になりご入所者様に対してよりよいケアを提供できます。
チームケアは、多職種が持っている多角的な知識を集結して、ご入所者様にあったケアをしていくところに強みがあります。

他職種の意見を柔軟に聞き入れ、任せるところと責任をもつところをはっきりできれば、介護職員としての意見を胸を張って言えるようになります。

介護職員もリハビリを実施する場面がある

介護職員でも、リハビリの専門職の指導を受ければ、リハビリを促すことが可能です。

ご入所者様に対して、リハビリ専門職の人員配置は多くはありません。また、1日に携われる人数もそれほど多くはありません。

そういった理由で、介護職員でも可能なリハビリを実施する機会があります。

介護職員は実施前にリハビリの専門的な知識をインプットし、実際にアウトプットもできるため、さらなるスキルアップにつながるといえます。

コミュニケーションスキルを高めて働きやすさを上げるには

老健では、業務量の多さを解決するための効率化や、ご利用者様への対応力が求められます。さらに、他職種との関係にも配慮が必要です。介護職員だけでなく、看護師やリハビリスタッフ、相談員など、さまざまな職種の人たちとの連携が欠かせません。

コミュニケーションが不十分だと、小さな意見の食い違いが起こったり、業務の流れに支障が出たりする恐れがあります。

ご利用者様のニーズを正確にくみ取れず、ケアの方向性がブレるかもしれません。職場の良好な人間関係は、働きやすい職場にするためにも大切なポイントです。

同じ職場で働く者同士、コミュニケーションをとり互いの考えや価値観を共有すれば、質の高いケアにもつながります。職場の仲間と連携し、ご利用者様の満足度を上げたい人は下記の記事も参考にしてみてください。

介護老人保健施設(老健)の給与は?

最後に、介護老人保健施設の介護職員として働く際の、給与について解説します。

給与面について

同じ介護職員でも、施設や保持している資格によって給料は異なります。
以下は、資格別に月収を比較したものです。

資格平均月収
介護福祉士349,850円
実務者研修309,650円
介護職員初任者研修315,700円
社会福祉士343,780円
介護支援専門員(ケアマネジャー)397,600円
参考:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(P157)

平均月収の中には、夜勤手当、残業手当、扶養手当、通勤手当が含まれています。

施設によっては、さらに下記のような手当を設けている施設もあります。

  • 住宅手当
  • 会議手当
  • 資格手当 

施設がある地域によって多少前後しますが、こういった手当が基本給に上乗せされていると考えてください。

さらに、処遇改善加算で、現場の介護職員に支給される手当や賞与・退職金もありますので、実際にはこれより多くなるといえます。

まとめ

介護老人保健施設は多職種との関わりが強く、多方面から知識や技術をインプットするには申し分ありません。
自身のキャリアアップや転職を考えているのであれば、介護老人保健施設はピッタリな職場です。

「介護転職のミカタ」では、介護老人保健施設の求人紹介もありますので、転職に興味がありましたら、一度みてみるのもいいでしょう。

この記事を書いたのは・・・

小玉 有紀/Webライター

保有資格:介護福祉士/介護支援専門員/介護事務士
福祉系専門学校を卒業したのち、老健で介護福祉士として6年勤務。生活相談員を経験したのち、ケアマネージャーとして5年経験。現在は育児のかたわらライターとして活動中。