
介護士として働くための就職先が決まると、入社日までに持ち物や準備品を揃える必要があります。
本記事では、介護士として必要な準備品や、持っていると業務効率が上がる便利なおすすめアイテムを紹介しています。
必需品の保管場所や、身に着ける必需品などシーン別に情報をお伝えします。
入社日に忘れ物することなく、万全な準備をして業務に取り組むために、是非、ご一読ください。
この記事の内容
介護士が持つべきおすすめアイテム
この章でご紹介する介護士が持つべきおすすめアイテムは、持っているだけでスムーズに業務がおこなえたり、効率が上がる合理的なアイテムです。
以下、シーン別に紹介します。
- 身に着ける編
- バックヤード編
- ロッカーに備えておく編
- 夜勤編
1つずつみていきましょう。
【身に着ける】編
介護士の業務では、ご利用者様からナースコールで次から次に呼ばれるため、ご利用者様1人の介助が終わっても一息つく間はありません。
1度流れるように介助が始まったら、1回ずつステーションに戻らなくてもいいように身に着けておくと良い介護士の必需品があります。
1つずつ紹介します。
ボールペン
ボールペンは、新人介護士にとっては、早く業務を覚えるための必需品です。
個々のご利用者様のケア内容や、それ以外の業務内容について、その都度メモをして覚えていくために必要だからです。
先輩介護士から1度教わったことは、しっかりと覚えて2度も3度も尋ねないように努めましょう。
ボールペンのおすすめのタイプは、ノック式です。
メモをとる時はケアとケアの合間になるため、キャップがあると両手が塞がり、無駄な時間が掛かります。また、キャップを落とさないように注意しなくてはいけません。
その点、ノック式ボールペンは、片手でノックしそのまま書き始められるため、おすすめです。
メモ帳
ボールペンとセットで持ち歩く必要があるのは、メモ帳です。
入社日には、必ずボールペンとメモ帳はセットにして持ち歩くといいでしょう。
先輩介護士からたくさんの事を教わるため、その都度メモをし、業務が一段落した時に見直したり、まとめ直したりするのに有効です。
ただ、サイズが大きなものを選ぶと、制服などのポケットに入らないこともあるので、手のひら程度の小さいサイズがおすすめです。
マスク
多くの介護士が使用するマスクも、必需品です。
介護士は、高齢者や障害者と密接に関わるため、感染症予防の観点からマスクを着用する事業所も多いです。
マスクの役割は、介護士である自分が持っている細菌やウイルスをご利用者様に移さないようにすることや、ご利用者様の間で流行っている病原菌に感染しないよう自分の身を守るうえで使用します。
マスクは必要度が高いため、事業所側が備えてくれている事も多く、自由に使用できる場合もあります。
ただ、自分が気に入っているマスクがある場合は、そちらを準備してもいいでしょう。
手指消毒用アルコール
事業所内には、各所に手指消毒用のアルコールが備えてあります。
ですが、業務の流れによって、消毒用アルコールが設置されている場所まで移動する時間がもったいない時には、持ち歩き用のアルコールで対応すると便利です。
注意する点は、感染症の種類によっては、アルコール消毒が無効の場合があります。
例えば、ノロウイルスについてはアルコールではなく、次亜塩素ナトリウムで対応をします。
流行している感染症に効果があるものを、使い分けてしてみてください。
プラスチック手袋
ご利用者様の介助をする際に必要不可欠なのは、プラスチック手袋です。
プラスチック手袋は、事業所で準備されていることがほとんどです。
筆者が勤務していた時は、制服のポケットにプラスチック手袋を何枚か詰めこんでから、業務を開始していました。
入浴介助や排泄介助などがはじまると、一息つく暇もなく業務が立て込んできます。
ご利用者様1人のケアが終わったら、使用したプラスチック手袋を破棄し、2人目のご利用者様のケアの前に、ポケットに詰めこんでいた新しいプラスチック手袋を装着するといった流れです。
注意する点としては、プラスチック手袋には、着用しやすいように内側にパウダーが付いている場合があります。
そのパウダーが原因で肌があれる人もいるため、着用時には注意が必要です。
タオル
事業所内を動き回る介護士は、汗をかくこともあるため、タオルを準備すると安心です。
ご利用者様が快適に過ごすため、室内は常時約20~22度になるようにエアコンが調整されています。
しかし、介護士は常に活動しているため、夏でも冬でも季節を問わず、汗をかくことがあります。
また、入浴介助をおこなう際には、タオルは必要不可欠です。
忘れないよう準備しておきましょう。
名札・パスケース
ご利用者様の中には、介護士の名前や顔を覚えるのが難しい方もいらっしゃるので、名札やパスケースで自己紹介をすることもあります。
そのために名札やパスケースなども、業務の間は身に着けておくべきものです。
また、ご家族様に対しても、自己紹介の際にあるといいです。
ほとんどが事業所側から支給されますので、業務の際には必ず着用しましょう。
【バックヤード】編
次にバックヤードに置いておくと、便利なものを紹介します。
本章で指すバックヤードとは、出勤してきた介護士が荷物などを置いておくような休憩室のことを指しています。
1つずつみていきます。
印鑑
印鑑は常に身に着けておく程のものではないですが、度々必要になるものです。
大切な書類の回覧確認のための押印や、職員間で情報共有をするための連絡ノートを確認した後の押印など、介護業界はまだまだ印鑑文化です。
内容を確認した証明に押印することで「私は理解しました」という事を他の介護士に伝えています。
エプロン
介護士は、さまざまなケアでエプロンの着用をします。
入浴介助のための防水エプロンや、食事介助用のエプロン、排泄介助時のエプロンと種類があります。
エプロンについては、事業所内で使いまわすものや持参するものなどがありますが、いずれもバックヤードに準備し、すぐに着用できるようにしておきましょう。
時計
介護士の業務は、常に時間に追われ忙しいです。
ご利用者様のケアは、タイムスケジュールに沿って毎日動いています。
そういった場合に、時計を持っておくとその場で時間がわかり業務のスケジュールが立てやすいです。
しかし、腕時計であると介助時にご利用者様にケガをさせる可能性があるため、注意が必要です。
身に着けることでケガをさせそうで怖かったり、ケアの妨げになったりするのであれば、バックヤードに準備して必要時に着用するのもいいでしょう。
筆者は、入浴介助や夜勤の時には着用せず、外出レクリエーション時や会議の際などには着用していました。
文字盤が大きく、部品などがたくさんついているものではなく、出来るだけスマートで存在感がないものがおすすめです。
また、事業所によっては着用に制限がある場合もありますので、着用前に確認してみてください。
名刺
介護士にとって名刺は、常に必要なものではありません。
名刺は、主に生活相談員やケアマネジャーなど、外部の人と関わる職員に支給されることが多いです。
しかし、事業所によっては職員1人1人に支給される場合もあります。
自分の名刺がある場合には、ご家族様に挨拶する時など適宜提示できるようバックヤードに保管しておくのがおすすめです。
デオドラントシート・スプレー
介護士は活動量が多く、汗をかくことがあるので、デオドラントシートやスプレーを常備しておくことをおすすめします。
夜勤の後や入浴介助の後など、匂いが気になる場合は適宜使用してみましょう。
コルセット・サポーター
介護士の職業病ともいわれる腰痛の対策として、コルセットやサポーターも使用できるよう準備しておくと安心です。
介護士は、腰痛になると業務がままならず、勤務が辛いものになります。
1度腰痛が発症してしまったら、車いすからベッドなどの移乗動作やシーツ交換など、中腰になる業務ができなくなります。
そうならないために、コルセットやサポーターは、予防の面でも有効です。
ぜひ、自分にあったものを準備してみてください。
クリアファイル
介護士は、自分で保管しておく必要がある書類があります。
そういった書類を持ち運んだり、保管したりするのに便利なのがクリアファイルです。
書類をもらったらすぐに使用できるよう、数枚のクリアファイルを保管しておきましょう。
絆創膏
介護士は業務中に、爪が割れたりベッドなどで皮膚をひっかけたりすることもあるため、ちょっとした傷ができることがあります。
そういった場合に、いくつか絆創膏を持っていると便利です。
ケガをしたら絆創膏を貼って応急処置をしてから、業務に戻ることもあるため、すぐに使用できるバックヤードで準備しておくといいでしょう。
【ロッカーに備えておく】編
介護士は、更衣室で制服に着替えてから業務に入るのが一般的であるため、1人ずつロッカーが備えられています。
この章では、ロッカーに備えておくといい必需品を紹介します。
着替え
介護士は活動量が多いため、季節を問わず汗をかくことがあります。
また、入浴介助の際には、専用のTシャツ、半ズボンを着用し、業務をすることが多いです。
そのため、入浴介助が終わった後に着用する衣類を備えておく必要があります。
その他に、夜勤の際にも着替えがあると便利なこともあります。
特に夏の夜勤は、汗をかきやすいです。
夜勤は1人でおこなう事業所が多く、日中に比べ活動量が増えるので汗だくになります。
そういった時に、ロッカーに上下1セットや下着の替えなど保管しておくと適宜交換できるのでおすすめです。
食べ物
介護士の業務は、活動量が多いことでカロリーを消費するので、頻繁に空腹感を感じる人もいます。
お腹がすいて困った時用に、ロッカーに保存がきく軽食を常備しておき、必要な勤務の時にいつでも持っていけるようにしておくといいでしょう。
ハンドクリーム
介護職は、業務の中で手洗いをする頻度が高いため、手指が荒れやすいです。
そのため、ロッカーにハンドクリームを備えておくといいでしょう。
しかし、頻繁にハンドクリームを使用していても、常時手洗いをするため、すぐに効果がなくなってしまいます。
ですので、ロッカーに忍ばせておいて、休憩時や終業後など適宜塗布できるよう準備してみるのもいいかもしれません。
熱中症対策グッズ
介護職は、入浴介助時など汗をたくさんかくため、熱中症のリスクが上がります。
熱中症による体調不良を予防するため、ロッカーに熱中症対策グッズを常備しておくと安心です。
塩分チャージのタブレットや、ネッククーラー、経口補水液などを駆使し、熱中症予防に努めましょう。
【夜勤】編
介護職の夜勤業務は、日勤業務の時とは異なる必需品があります。
以下で1つずつ紹介します。
歯ブラシ・洗面用具
夜勤の時には、歯ブラシや洗面用具を持参する介護職員は多くいます。
勤務している事業所によりますが、夜勤の業務には仮眠できる時間もあります。
横になる前に洗面や歯磨きをし、仮眠時間が終わる時にも同様に身支度をすることで、早朝の業務に向けて眠気覚ましとなり、身が引き締まります。
アイマスク
上記でもご紹介しましたが、夜勤帯の業務では休憩で仮眠がとれる事業所があり、アイマスクは体に眠る準備をさせるために有効です。
仮眠はたくさんとれるわけではなく時間に限りがあるため、早めに入眠したいものです。
周囲の明かりをシャットアウトし、スムーズな入眠を促すことができるので、アイマスクを使用してみてもいいでしょう。
軽食
夜勤業務は長時間になるため、体力勝負です。
小腹がすいたら、簡単に口に入れ、エネルギー補給ができるような軽食を持っておくと、翌朝の終業まで乗り切れるでしょう。
自分が好きな軽食を持参すると、気持ちもポジティブになり活気がでてくるかもしれません。
タオル
夜勤業務では、汗をかいた時や洗面する際に、タオルが必要です。
タオルは万能なので、一晩の夜勤で数枚持参する人もいます。
自分の用途に合わせて、準備しておくと安心です。
羽織るもの
冬の夜勤は、一時的にエアコンを停止したり換気する時間も設定されているため、フロア内が寒くなることもあります。
そういった時に、1枚羽織るものを常備しておくと重宝します。
寒さで風邪をひくようなことにならないよう、体を温めてくれるものがおすすめです。
介護士の必需品が揃う場所は?
介護士の必需品を、どこで準備したらいいか迷っている方向けに、おすすめの購入先をご紹介します。
介護士の業務で必要なものは、介護職のための用具が掲載されている通信販売で揃います。
また、事業所でまとめて購入している場合もあるため、1度勤務先できいてみてもいいでしょう。
その他にも、自分が使用するもので自宅から持ち込むものや、店舗で購入するものもありますので、自分に合った商品を選び、勤務日までに準備していきましょう。
よくある質問
介護士の必需品について、よく聞かれる質問に回答し紹介します。
職場で用意してくれるものはあるのか?
主にマスクやプラスチック手袋、アルコール消毒液などの衛生品などは、業務上必要なものであるため事業所が支給している事も多いです。
しかし、自分に合わなかったり使用しづらいものは、自分で準備することも必要になってくるでしょう。
水分や食事については、どこまで持参したらよいか?
介護士は、常時動き回り発汗するため、随時水分補給は欠かせません。
基本的には自分で持参する場合が多いですが、筆者が勤務していた事業所では、フロアで職員が適宜お茶を沸かしており、職員みんなで利用していました。
また、事業所内では自動販売機を設置している場合もあるので、お茶やミネラルウォーターが不足したり、コーヒーやジュースが欲しい時は、購入することもできます。
食事については、施設により、社員食が用意されている場合もあります。
その場合、予約制になっていることがほとんどです。
社員食を利用せず、自分で持参することも可能です
筆者が勤務していた事業所では、夜勤の際の夕食は事業所から提供がありました。
軽食に関しては、小腹を満たせる好みのものを持参するとよいです。
筆者は、よく菓子パンを持参していました。
また、一緒に夜勤をする職員同士で、持ち寄ったものを交換したりして食べていました。
介護士の必需品は業務の効率を上げるものを常備する
本記事では、介護士の必需品についてご紹介してきました。
ケース別や保管場所別に、それぞれおすすめの必需品がありますが、基本的には馴染みがあって使いやすいものや食べやすいものを持参することをおすすめします。
ボールペンやメモ帳については、使いやすく好みのものを、食べ物や飲み物に関しても自分が好きなものを準備しましょう。
好きなものを持っていくだけで、気持ちが活気づき、業務にもポジティブになれます。
介護士を続けていくと、「これが必要かもしれない」「あれを持っていたら効率が上がる」などと感じる場面もあるでしょう。
自分が必要だと思うものを順番に揃えていき、業務の効率化に役立てることをおすすめします。
この記事を書いたのは・・・

小玉 有紀/Webライター
保有資格:介護福祉士/介護支援専門員/介護事務士
福祉系専門学校を卒業したのち、老健で介護福祉士として6年勤務。生活相談員を経験したのち、ケアマネージャーとして5年経験。現在は育児のかたわらライターとして活動中。