40代から介護職員へ!未経験でも転職成功できるポイントを解説

「40代未経験で介護の仕事をはじめられるだろうか」
「転職する際のポイントが知りたい」

このような悩みをお持ちではありませんか?年齢的にも新しい仕事に挑戦するのに躊躇してしまう方もいるでしょう。

結論から言うと、40代未経験でも介護の仕事ははじめられます。介護業界は人手不足で、年齢や経験を問わず活躍できるチャンスがあります。本記事では、40代未経験で介護の仕事をする際のメリット・デメリット、転職を成功させるポイントについて解説しているのでぜひ最後までお読みください。

40代未経験でも介護の仕事をはじめられる

介護業界は慢性的に人手不足が続いています。実際、介護労働安定センターが実施している「介護労働実態調査」でも、6割以上の事業所が人手不足を感じています。そのため、40代未経験の介護職員でも十分にニーズは非常に高い状況です。

また、40代になると体力的な不安を感じ始める時期ですが、同センターの調査(2023年1月1日時点)によると、介護職員の人数は40〜49歳が19,353人と最も多く、次いで50〜59歳が17,754人となっています。介護業界の主力は40〜50代なので、同世代が多い環境では不安も軽減されるでしょう。

以下の表は、令和5年1月1日時点の介護職員の人数です。

年齢層介護職員の人数
29歳以下9,997人
30~39歳14,596人
40~49歳19,353人
50~59歳17,754人
60~64歳7,727人
65歳以上9,521人
引用:令和5年度介護労働実態調査|介護労働安定センター

表からもわかるように、40歳代がもっとも多く活躍していることがわかります。

40代で介護職員へ転職する3つのメリット

ここでは、40代で介護職員へ転職するメリットについて解説します。

これまでの人生経験を仕事に活かせる

介護の仕事は、ご利用者様の気持ちに寄り添い、信頼関係を築くことが重要です。40代は社会人経験や子育て、親族との死別など、人によってさまざまな人生経験を積んでいます。これまでの人生で培われた傾聴力や共感力、問題解決能力は、介護の現場でも活かせるでしょう。
また、職歴の面でも、営業職で培ったコミュニケーション能力、接客業で身につけたホスピタリティなどは、ご利用者様との円滑な関係構築に役立ちます。

未経験でも正社員に採用されやすい

介護業界は深刻な人手不足のため、未経験者歓迎の求人が多く、40代でも正社員として採用されるチャンスが十分にあります。40代は社会人としての基本的なマナーや責任感が備わっていると期待されるため、採用側にとっても魅力的な人材です。
体力面での不安を払拭できるよう、健康状態や体力維持への取り組みをアピールすることも大切です。人柄や意欲を重視する傾向が強いため、これまでの経験やスキルを積極的にアピールし、未経験でも積極的にチャレンジしましょう。

年齢に関係なくキャリアアップできる

介護業界は実力や資格取得によってキャリアアップできる業界です。年齢や経験年数に関わらず、努力次第で管理職や専門職を目指せるのが魅力です。
例えば、無資格未経験からでも、介護職員初任者研修→介護福祉士実務者研修→介護福祉士と資格を取得してステップアップできます。
職場によっては、資格取得支援制度が充実しているケースもあります。将来的には、ケアマネジャー資格取得や管理者へのキャリアアップの道も開けるでしょう。

40代で介護の仕事をする3つのデメリットと対処法

40代の介護職転職には、メリットだけでなく、体力面や人間関係、給与面のデメリットも存在します。しかし、事前に対処法を理解しておけば、安心して転職できるでしょう。ここでは、40代で介護の仕事をするデメリットとその対処法について解説します。

不規則な勤務形態による体力的な不安がある

介護の仕事は、夜勤や早朝勤務など不規則な勤務が多く、40代の方は体力的な不安を感じやすい時期です。
生活リズムの乱れは体調不良や仕事のパフォーマンス低下につながるため、以下のように日頃からの健康管理が重要です。

  • ウォーキングや筋トレなど、定期的な運動習慣を身につける
  • バランスの取れた食事と十分な睡眠を心がける

最近では、介護ロボットを導入する事業所も増えているため、スタッフの負担軽減に取り組んでいる事業所を探すのも有効な対策のひとつです。

自分より若い職員に指示されることがある

介護業界では、年齢に関わらず経験やスキルが重視されます。40代未経験で転職した場合、年下の先輩職員から指示を受ける場面も少なくありません。
ときには年下の職員からの指示に戸惑うこともあるかもしれませんが、大切なのは、相手を経験者として尊重し、謙虚な気持ちで新しいことを学ぶ意欲を持つことです。

給与が下がるリスクがある

未経験で介護職に転職する場合、前職よりも給与が下がる可能性があります。
特に、前職で高い給与を得ていた場合は、収入減を覚悟する必要があります。
厚生労働省がおこなっている「令和4年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員の40代の平均給与は以下の通りです。

  • 男性 334,250円
  • 女性 308,880円

給与が下がるとモチベーションの維持が難しくなる場合もあるでしょう。ただし介護業界は資格手当が充実しているため、資格取得によって収入アップを目指せます。

引用:令和4年度介護従事者処遇状況等調査 第105表|厚生労働省

40代未経験で介護職員の転職を成功させるポイント3選

ここでは、40代未経験での転職を成功させるポイントについて解説します。

資格取得の検討

介護の仕事は無資格でも始められますが、資格があると資格手当が支給され、転職にも有利になります。40代未経験の場合、まずは介護の入門資格である介護職員初任者研修がおすすめです。受験資格はなく、130時間の講義の受講後、修了テストに合格することで取得できます。比較的短期間で取得できるため、転職活動と並行しての受講も可能です。

なお、介護職員初任者研修の取り方に関しては、別記事をご参照ください。

転職先を決める際の優先順位を決める

40代の転職は、20代・30代とは異なり、家庭の状況や転職後の役職など考慮すべき点が多いのが特徴です。そのため、転職先に求める条件を明確にし、優先順位をつけることが重要です。

例えば以下の点について自分の理想と優先順位を整理しておくとよいでしょう。

  • 給与:最低限必要な金額、希望する金額
  • 勤務時間:夜勤の有無、残業時間、休日数
  • 仕事内容:興味のある分野、得意なこと、避けたいこと
  • 職場の雰囲気:人間関係、年齢層、教育体制
  • 通勤時間:自宅からの距離、交通手段
  • 福利厚生:社会保険、退職金制度、各種手当

全ての条件を満たす職場は少ないため、妥協点を見つけることも大切です。また、優先順位は、ライフステージや価値観によって変化するため、定期的に見直す必要があります。

転職支援サービスの活用

40代は、仕事だけでなく家庭内の役割も多くあるため、情報収集や選考対策などを一人でおこなうには負担が大きいものです。
そこで、転職支援サービスを活用して、効率的に転職活動を進めるのもひとつの選択肢です。例えば「介護転職のミカタ」では、非公開求人の紹介やキャリア相談、転職活動のサポートなどを無料で受けられます。

40代から介護の仕事をはじめる際の注意点

40代から介護の仕事をはじめる際は、世代間の価値観の違いや職場環境へ適応することに注意が必要です。しかし、これらを理解し意識することで、スムーズなスタートを切れるでしょう。

若い世代との価値観のギャップを理解する

介護現場では、20代・30代の職員も多く活躍しています。仕事への取り組み方や報連相の仕方、プライベートの過ごし方など、世代間の価値観の違いからコミュニケーションに戸惑うことがあるかもしれません。
筆者の働く施設では、病欠してもかたくなに有給休暇を使いたがらない20代のスタッフが複数います。
大切なのは、自分の価値観を押し付けたり、相手の価値観を否定したりせず、尊重する姿勢を持つことです。

職場環境へ適応する努力をする

新しい職場環境に慣れるには、ある程度の時間と努力が必要です。
特に40代は、これまでの経験から、新しい環境への適応に時間がかかる場合もあります。「前の職場ではこうだった」「自分はこう思う」といった考えは脇に置き、これまでの経験も活かしつつ、新しい職場のやり方を学ぶ姿勢が大切です。

まとめ

40代未経験からの介護職への転職は決して遅くありません。介護業界は人手不足で、40代の豊富な人生経験や社会人経験は大きな強みとなります。もちろん、体力面や人間関係、給与面での不安もあるかもしれません。しかし、事前の情報収集や対策、「新しいことに挑戦する」という前向きな気持ちがあれば、スムーズに適応できるでしょう。

転職支援サービスのひとつ「介護転職のミカタ」では、専門の担当者が、あなたの希望に沿った求人を紹介します。無料で利用できるので、お気軽にご相談ください。

この記事を書いたのは・・・

さとひろ/Webライター

保有資格:ケアマネジャー/社会福祉士/介護福祉士/公認心理師
介護業界で22年の経験をもつ、特別養護老人ホームの現役ケアマネジャー兼生活相談員。介護職員・ケアマネジャー・生活相談員としての経験をもとにわかりやすい記事を執筆します。