
「介護の転職を検討しているけど、失敗しないか不安」と思っている人もいるのではないでしょうか。
転職への不安が大きいあまり、消極的になり、不満を抱えたまま現状を過ごすのはもったいないことです。
本記事では、筆者の体験談も含めた介護職のよくある転職失敗の理由や成功のためのポイント、求人の選び方などを解説していきます。
記事を読めば、失敗しない転職の方法がわかり、自分に合った職場をみつけることができるようになるでしょう。
この記事の内容
介護職のよくある転職失敗理由4つ
介護職の転職で失敗したと感じてしまう人もいます。
ここからは、介護職のよくある転職の失敗理由を4つ紹介していきます。
- 人間関係が悪かった
- 思っていた条件と違った
- 仕事自体が合わなかった
- 職場環境が劣悪だった
人間関係が悪かった
介護職の転職で失敗を感じるよくある理由は、人間関係が悪かったということです。
人間関係は仕事をしていくうえで、重要と思っている人は多く、転職先で人間関係が悪いと「これからこの雰囲気のなかで仕事をしていけるか」と考え不安になってしまうのです。
例えば、転職先が次のような状態だと失敗したと感じてしまいやすいです。
- 嫌味を言うお局がいる
- 派閥がある
- 悪口をよく言う人がいる
- 空気が悪く質問や連携しにくい
転職前に人間関係までは把握しにくいため、失敗してしまうことも多いかもしれません。
思っていた条件と違った
介護職の転職先で思っていた条件と違ったときも、失敗したと感じてしまうでしょう。
実際に働いてみたときに、言われていた、または求人に記載していた内容と違えば、不信感を持つのは当然でしょう。
例えば、次のようなことです。
- 求人に記載していた給料と違った
- 伝えられていた年間休日と相違があった
こういった場合は、職場が不正に嘘の条件で求人に記載している可能性もあります。
対処法としては、転職を考えるか、労働基準監督署やハローワークに相談するのがおすすめです。
仕事自体が合わなかった
転職先でのよくある失敗の一つは、介護の仕事が合わないと感じるということです。
仕事が自分に合っていないと感じたら、この先続けていくのが不安になるでしょう。
例えば、次のようなことです。
- 施設独特のルールが合わないと感じた
- 業務をこなすのが苦痛に感じる
- 介護量が多すぎて思っていたのと違った
- レクリエーション等苦手な仕事が多かった
介護の仕事と言っても、サービス種別や施設によって業務内容は異なることがあります。
実際に働いてみたら思っていた内容と違い、戸惑ってしまうという方も一定数いるようです。
職場環境が劣悪だった
転職先の職場環境が劣悪だった場合は、失敗したと感じてしまうでしょう。
これは、介護業界に限ったことではありませんが、劣悪な職場は存在しますので、そういった職場に当たってしまえば続けて働いていくことに悩んでしまうかもしれません。
例えば、サービス残業が多い職場などがそれに該当します。
職場の環境が悪いと感じたら、再転職を視野にいれることをおすすめします。
転職の前に悩みを整理してみよう
介護職員が別の職場に転職しても「自分には合わなかった」「環境を変えたのに悩みが残った」と感じる人もいるでしょう。
転職が必ずしも失敗するとは限りません。しかし、根本的な悩みを明確にしないまま職場を変えると、転職先でまた同じ壁にぶつかる可能性があります。
転職を検討する前に、自分の悩みをすべて洗い出し、整理するのがおすすめです。働くうえでの課題や懸念点をはっきりさせて、転職で解決するかどうかを考えてみましょう。
こちらの記事では、介護職が抱えやすい悩みごとの対処法や、視点の切り替え方を紹介しています。
「転職したい」と感じている人は、自分の気持ちや状況を客観的にとらえ、より良い選択をする参考にしてみてください。
介護職の転職に失敗した体験談
筆者も介護職の転職で失敗をしたことがありますので、その体験談を紹介します。
職場を家庭の事情で退職し、介護事業所に転職したときのことです。
面接時、管理者の愛想がよく、仕事をするのが楽しみで仕方がありませんでした。
しかし、実際に入職してみると、毎日当たり前にサービス残業がありました。
さらに「一度、〇時に退勤したということにしたいからタイムカードを押してほしい」と言われたのです。
私は、最初こそ我慢して仕事を続けたものの、次第に不満は募り結局すぐに退職してしまいました。
職場の口コミなどを確認して内情まで調査しておけばよかったと、後悔しました。
転職先の内情まで把握するのは難しいものですが、今振り返ると、職場の口コミなどをチェックしておけばよかったなと思います。
転職を成功させるためのポイント
転職を成功させるためには、大切なポイントがいくつかあります。
ここからは転職を成功させるためのポイントを3つ紹介していきます。
希望を明確化しておく
転職を成功させるためのポイントの一つめは、自分の希望を明確化しておくということです。
希望を明確にしておくことで、職場探しがスムーズになります。
例えば、次のような希望を整理しておきましょう。
- 給料の最低ラインはどれくらいか
- 距離はどこまでが許容範囲か
- どんな仕事内容が得意か
希望を紙に書き出し、自分で読んでみるとさらに客観視できるかもしれません。
自分に合った職場をみつけるためにも、希望は先にイメージしておきましょう。
自己分析をしてみる
次に、転職を成功させるためのポイントで大切なことは、自己分析をすることです。
自分の性格や得意・不得意な分野が明確になっていると仕事選びに失敗しにくいからです。
例えば、大勢の人とコミュニケーションを取るのが苦手な人は、小規模なグループホームを選択するなど、性格や不得意分野によって転職先を絞ることができます。
自分を今一度見つめ直し、合った職場を探せるようにしておきましょう。
譲れない条件に優先順位をつける
転職を成功させるために、譲れない条件に優先順位をつけていくのもおすすめです。
なぜなら、各条件の優先度がわかれば、それに沿って求人を探すだけで希望通りの職場が見つかる可能性が高いからです。
例えば、次の条件に優先順位をつけてみましょう。
- 給与
- 仕事内容
- 勤務体制
- 休みの多さ
- 雰囲気
- 距離
職場に何を求めるかを明確にすることによって、より絞り込みがしやすくなります。
求人探しをする前に、条件の優先順位を整理しておくようにしましょう。
転職には「伝え方」の工夫も必要
転職に失敗した理由としては、自己PRの不十分さも挙げられます。どれだけ現場経験が豊富でも、自己PRが足りなければあなたの魅力が採用担当者に伝わりません。
「これまでの経験をどう言葉にするか」「介護職としてどんな姿勢を持っているか」など、具体的に介護の仕事に対する姿勢が伝わる自己PRを作ってみましょう。
こちらの記事では、基本的な自己PR対策だけでなく、アレンジ可能な自己PR例文を豊富に掲載しています。
「未経験からの転職」や「現場経験しかない人」など、それぞれのフェーズに合わせた例文を用意しました。自己PRが苦手だと感じている方や、転職で失敗したくない方は、記事を読んで魅力的な自己PR作成に役立ててください。
転職を成功させるための求人の選び方
転職を成功させるためには、求人の選び方が大切です。
ここからは、転職がうまくいく求人の選び方を4つ紹介していきます。
給与額は月の基本給のみで判断しない
まず、大切なのは給与額は基本給のみで判断しないということです。
なぜなら給与は基本給以外の設定額によっても大きく異なるからです。
例えば、各種手当や昇給、ボーナスなどの設定額がそれに該当します。
基本給が低く見えても、各種手当やボーナス額が多ければ、総合して年収は高くなることになります。
また基本給が高くても、昇給がなければ、ずっと同じ給与額で働かなくてはなりません。
後悔のない転職をするためにも、基本給含む給与設定は全てチェックするようにしましょう。
見学や仕事体験が可能なら、参加する
転職を成功させるために大切なことの二つめは、職場の雰囲気を自分の目で確かめるということです。
職場の雰囲気は体感してみないとわからない部分があり、転職した後に雰囲気が悪いことに気づいて失敗してしまう例も多くあります。
例えば、人間関係や介護ケアの方針などは、求人を見ただけではわからないことが多いです。
可能であれば転職前に見学や仕事体験をさせてもらい、職場の雰囲気を確かめるようにしましょう。
求人だけでなくブログやSNSなどもチェックする
転職を成功させるためには、事前調査が重要です。
把握している情報が少ない状態で転職してしまえば、思い描いていたイメージと現実に大きなギャップがうまれてしまう可能性が高いからです。
事前調査として、転職を検討している職場のブログやSNSをチェックするのがおすすめです。
職場の雰囲気やどのような職員がいるか、また利用者様との日頃の関わりなどの様子を伺うことができます。
求人だけでなく、ブログやSNSを覗いて、職場の事前調査をしておきましょう。
口コミを調査しておく
介護の転職を検討する際には、職場の口コミを確認するのも大切です。
なぜなら、職場の内情は働いている人、または働いた経験のある人しかわからないからです。
転職先の口コミを確認する方法は、次のとおりです。
- 就活系サイトで職場の口コミを探す
- 介護施設検索系サイトでご利用者・ご家族の口コミをチェックする
- 知人や友人に聞き込みをする
職場の評判を事前に調べておくことで、ある程度の雰囲気を把握することができます。
ただし、口コミは個人的意見によるものであるため、書き込みを鵜呑みにしすぎないように気を付けましょう。
まとめ
介護の転職は、事前準備をしっかりしておけば成功させることができます。
自分の希望を見つめ直したうえで、しっかり職場について下調べをしておくことが大切です。
自分に合った転職先で、介護職員として満足いく働き方を目指していきましょう。
この記事を書いたのは・・・

中村 亜美/Webライター
保有資格:介護福祉士
特別養護老人ホームでユニットリーダーとして11年程勤務。
その後はフリーライターとして活動中。在宅介護者や介護事業者、介護職員向けのコラム・取材記事を執筆している。