介護職員におすすめの休日の過ごし方10選|心身をリセット

介護職員として働く方の中には「休日を寝て過ごしてしまう…」「疲れが取れなくてリフレッシュできない」と感じる方もいるでしょう。

令和5年度介護労働実態調査によると、介護職員の転職理由として「残業が少ない、有給休暇をとりやすい、シフトがきつくない」を挙げた方は全体の27.5%にのぼります。
休みにくいために転職を考える人もいるのです。

人手不足の施設は、とくに休みを取りづらいと感じるかもしれません。
しかし、日々の疲れを癒し、元気に働くことで、ご利用者様のケアがより良いものとなります。

もし介護職員が疲労を溜め込んだまま働いていると、体力や注意力が低下し、丁寧なケアができなくなる可能性があります。ご利用者様と自分のために、休日の過ごし方はしっかり考えておくのがおすすめです。

本記事では、7年以上介護職として勤務していた筆者が、身も心も元気になれる休日の過ごし方についてまとめています。
気軽に試せる内容を紹介しているので、最後まで読んでみてください。

介護職員がじゅうぶん休めない理由

介護職員が休みにくいと感じる理由には、以下のようなものがあります。

  • 夜勤がある
  • 連休が少ない
  • シフトが不規則
  • 休日出勤の可能性がある

介護職の特徴のひとつが、勤務時間の不規則性です。決まった曜日に休めるとも限らないため、生活リズムが整えづらいのも休みづらいと感じる理由といえます。

夜勤がある

夜勤は、介護職員がじゅうぶんに休めない理由のひとつです。
夜勤の日は本来寝ている時間に働くため、体内時計が狂い、生活リズムが乱れてしまいます。

夜に活動し、昼間に眠るという生活を繰り返すと、睡眠不足や疲労を招き、体調不良を引き起こしやすくなるため、注意が必要です。

夜勤明けにしっかり睡眠をとる方もいますが、昼間にぐっすり眠るのが難しく、疲労が蓄積していく方も多いでしょう。
夜勤が多いと、介護職員の心身に大きな負担がかかり、休息を妨げる要因となります。

連休が少ない

介護職員が満足に休養できない理由に、連休の少なさも挙げられます。
介護の仕事は身体的・精神的な負荷が大きく、1日の休暇では疲労回復がなかなか追いつきません。
しかし、施設の内情によっては連休がほしいと言い出せない介護職員もいます。

例えば、日勤限定の職員や、新人職員が多い日は、ベテランの介護職員が夜勤や新人職員のフォローに入らなければなりません。
そのため、職員が少ない施設では、経験を積んだ職員はとくに連休を申請しにくいでしょう。

ただし、働き方を見直す意味で介護職員にしっかり休んでもらうための体制を整えている施設もあります。
もし「もっと休みやすい施設で働きたい」と感じたら、転職を検討するのも手です。

シフトが不規則

不規則なシフトも、休養する時間を作りにくくしている理由といえます。
毎日同じ時間帯に勤務していれば、自分の時間を確保しやすいでしょう。しかし、介護職員は多様なシフトに対応しなければなりません。

【変則的なシフトの例】

  • 早出は7時から16時まで
  • 日勤は8時30分から17時30分まで
  • 遅出は11時から20時まで
  • 夜勤は16時から翌朝9時まで

さまざまな勤務をこなす介護職員は、自分の時間だけでなく家族や友人との時間も作れない場合があります。

ストレス解消したり、ゆったり過ごしたりする時間がとれないと、心身の疲れはなかなか軽減されません。

休日出勤の可能性がある

休日出勤も介護職員が休めない理由のひとつです。

その日出勤する予定の職員が何らかの事情で急に休んだ場合、本来は休日だった職員がピンチヒッターで出勤することがあります。
せっかくの休日が返上となり、ストレスに繋がるでしょう。

人員が少ない施設では、休日出勤の可能性もゼロではありません。しかし、多くの施設では、よほどのことがない限り当日のメンバーで業務を回します。

介護職員が心と体を癒す休日の過ごし方

本章では、介護職員が心身を癒すための休日の過ごし方を紹介します。

家での過ごし方

まず、家でゆっくりしたい方におすすめの過ごし方は以下のとおりです。

  • 趣味を楽しむ
  • 十分な睡眠をとる
  • 映画やドラマを観る
  • ゆっくりお風呂に入る

1つずつ見ていきましょう。

趣味を楽しむ

日ごろ没頭できない趣味に時間を使いましょう。
介護職員はなかなかまとまった時間を作れない方も多いため、休みの時間はひたすら寝て過ごす方もいます。
しかし、家から出ない休日こそ趣味をしっかり楽しんで、わくわくするひとときを満喫するのがおすすめです。

【家で楽しめる趣味】

  • 読書
  • DIY
  • 音楽鑑賞
  • ハンドメイド
  • ガーデニング

心が晴れやかになり、前向きになれば仕事のモチベーション維持にも繋がります。

十分な睡眠をとる

介護の仕事は体力を使うだけでなく、精神的な負担も大きいため、休日はしっかりと睡眠をとるのがおすすめです。
睡眠不足が続くと、心身にさまざまな影響を及ぼします。

  • 免疫が低下して病気にかかりやすくなる
  • 気分の落ち込みやイライラ感が強くなる
  • 注意力や集中力の低下で事故のリスクが高まる

休日とはいえ、日中に眠るのが難しいと感じるかもしれません。
遮光カーテンや耳栓を使うと、光や音の影響が低減されて眠りやすくなります。また、アロマを使って気分を落ち着けるのも良いでしょう。

介護の仕事では、利用者の安全を守るために常に注意を払い、状況に応じて的確に判断する必要があります。そのためには、介護職自身が自分の健康を維持しなければなりません。

質の高いサービスを提供するためにも、休日は睡眠をしっかりとって心身を休ませるようにしましょう。

映画やドラマを観る

観たかった映画やドラマを観るのもおすすめです。日常のストレスから解放され、リラックスできます。
感動的なストーリーに感動の涙を流したり、コメディ作品で大笑いしたりするとストレスが軽減されるでしょう。

また、さまざまなジャンルの作品に触れて新しい知識や価値観を得たり、感性を磨いたりもできます。

最近は動画配信サービスが普及しており、自宅にいながらいろいろな映画やドラマを選べます。好きな食べ物や飲み物を用意して、のんびりと映像やストーリーを楽しむ時間をとってみてください。

ゆっくりお風呂に入る

休日はお風呂の時間を長めにとりましょう。介護の仕事で疲れた体を癒すのに効果的です。

お風呂には、体を温めるだけでなく、心もリラックスさせる効果があります。

【入浴の効果】

  • 血行が促進される
  • 筋肉の緊張がほぐれる
  • 副交感神経が優位になり睡眠の質が上がる

お風呂の温度は38℃から40℃がおすすめです。熱めのお風呂も気持ち良いですが、交感神経を刺激するためリラックス効果が得られなくなります。

家で過ごす休日は、好きな入浴剤を入れたりアロマを焚いたりして、バスタイムをぜいたくに楽しんでみましょう。

外での過ごし方

ここからは、外に出たい方のための過ごし方を紹介します。

  • 近所を散策する
  • ジムで運動する
  • マッサージに行く
  • 日帰り旅行を楽しむ
  • カラオケでストレス発散する

順番に解説していきます。

近所を散策する

手軽に外で休日を楽しむなら、近所を散策がおすすめです。
軽い運動になるだけでなく、気分転換やストレス解消にも繋がります。
太陽の光を浴びれば体内時計が整うため、質の高い睡眠にも効果的です。

また、普段は通り過ぎる場所をのんびり歩くと、新しい発見があるかもしれません。おいしいパン屋さんやおしゃれな雑貨屋さんを見つけたり、緑が美しい公園や人々が集うカフェに立ち寄ったりするのも良いでしょう。

今まで知らなかった場所や人との出会いは、心を豊かにしてくれます。
ご利用者様や同僚との関わり方に関するヒントを得たり、自分にはない考え方に触れたりと、介護の仕事に役立つ学びがあるかもしれません。

ジムで運動する

アクティブな介護職員の方は、休日にジムで汗を流すのも良いでしょう。
適度な運動は、ストレス軽減や体力の向上に効果的だからです。

介護の仕事は、体力的にきついだけでなく、精神的なストレスも多い仕事です。
運動すると幸せホルモンと呼ばれるエンドルフィンが分泌され、ストレスを和らげてくれます。

〈筆者の体験談〉
筆者は運動が大の苦手ですが、夜勤明けや休日の朝にスポーツジムへ行き、コツコツと無理のない運動を継続していました。
トレーナーのアドバイスをもらいながら継続したところ、介助の負担が軽くなり、ダイエット効果も得られました。


運動になじみのない方でも、マシンを使って自転車こぎや歩くだけでも効果があります。
休日はジムで体を動かし、心も体もリフレッシュしましょう。

マッサージに行く

休日は、ちょっとぜいたくにマッサージに行くのもおすすめの過ごし方です。
介護の仕事は毎日が重労働。若い方でも日々疲れが蓄積していくのは当たり前のことです。
腰への負担はもちろん、足のむくみや肩のコリが気になる方も多いのではないでしょうか。

「お風呂上がりにマッサージしてもだるいまま…」「セルフケアではすっきりしない…」と感じる方は、プロの手でマッサージしてもらいましょう。体のことを知り尽くしているため、しっかりケアしてもらえます。

施術後は血行が良くなり、体の柔軟性もアップします。翌日からの仕事も元気にこなせるでしょう。

日帰り旅行を楽しむ

思い切って日帰り旅行するのも休日の過ごし方としておすすめです。少しだけ日常から離れると、気分転換になります。
日帰りなので、遠くに行く必要はありません。普段とは違う環境に身を置くだけでもリフレッシュできます。

【日帰り旅行の例】

  • 温泉で足湯を楽しむ
  • 隣の県で名物を食べる
  • SNSで見たお店で食事をする
  • アクティビティの体験に参加する
  • 降りたことのない駅で電車を降りる


普段車を使っている方は電車やバスなど、公共交通機関を使ってみると、旅をしている感覚をより強く味わえるでしょう。
お住まいの地域から日帰りで行けるスポットを見つけて楽しんでみてください。

カラオケでストレス発散する

ストレス発散にはカラオケも効果的です。歌うのが苦手でも、大きな声を出して音楽に乗るとスカッとした気持ちになれます。
介護職員は毎日たくさんのご利用者様を支え、周りの職員たちと協力し合ってケアに励んでいます。しかし、時として言いたいことを言えず、もやもやした気持ちを抱える日もあるでしょう。
カラオケは気軽にできるストレスケアです。好きな曲を思い切り歌うと、楽しさや爽快感が味わえます。
一人で好きな曲を楽しむのも良いですし、同僚と行って交流を深めるのもおすすめです。

どうしても休まらないときの対処法

「何をしても疲れが取れない」
「休みの日はベッドから出る気になれない」
このように感じる方もいるでしょう。

介護職員はまとまった休日が取りづらく、疲労が溜まりがちです。施設が人員不足の場合、いつ呼び出しの連絡が来るかヒヤヒヤすることもあります。
常に仕事のことが頭から離れないため、気持ちが落ち着かず休んだ気になれないでしょう。

疲れたままの状態が続いている方は、同僚や上司に相談してみましょう。経験から有益なアドバイスがもらえる可能性があります。
もし状況が変えられない場合は、思い切って転職を考えるのも良いでしょう。

介護職員の休日についてよくある質問

ここでは、介護職員の休日についての質問に回答していきます。

介護職は有給が取りにくいですか?

厚生労働省の調査によると、介護事業所に勤める職員の有休取得率は40~60%が最も多い結果となっています。

※引用:令和5年度介護労働実態調査|厚生労働省

有給取得率が60%を超える職員は全体の半数にも満たないのが現状です。
しかし、業務内容やシフトの見直しをおこない、休みやすい職場を実現している施設もあります。

しっかり休める介護の職場はありますか?

デイサービスは日曜が休みのところが多く、日勤のみなので比較的休養をとりやすいといえます。
特養やグループホームでも、日勤のみでOKな施設はあるため、転職サイトや転職エージェントを利用して求人を探してみるのがおすすめです。

「介護転職のミカタ」では、豊富な求人を紹介しています。
専門のコンサルタントによる無料相談も可能なので、休みやすい職場を探したい方はお気軽に問い合わせてみてください。

まとめ

本記事では、介護職員の休日の過ごし方を紹介しました。
介護の仕事は身体面の負荷もありますが、ご利用者様の安全を守るために気を張っているため、精神的にも疲れが溜まります。

休日は、自分の好きなことに時間を使ったり、運動でリフレッシュするなどして身も心もケアする意識をもちましょう。

家でゆっくりするもよし、外に出てアクティブに過ごすもよし。明るい気持ちになれる方法を見つけてみてください。

もし、どうしても今の職場で休みがとりにくい…と感じる方は、新しい職場を検討してみましょう。介護職員が元気に働くために、ワークライフバランスを重視している介護施設は増えています。

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この記事を書いたのは・・・

佐藤 恵美/Webライター

保有資格:介護福祉士/社会福祉士
回復期リハビリ病棟で7年勤務したのち、社会福祉士を取得し、
生活相談員を経験。現在はフリーのWebライターとして活動中。