そもそも履歴書を記事の通りに書けば内定率は変わるのでしょうか。
結論変わります。
筆者が見てきた中で、履歴書がしっかりと書けておらず面接で即落ちてしまう方の割合は、体感でも2割〜3割はいます。
中には面接の日ではなく作成した日を履歴書に書き、落ちてしまったケースや、履歴書に少し水をこぼしてしまい、シミになってしまった履歴書で落ちてしまった方などさまざまです。
そのため、履歴書の書き方や自分のアピールの仕方をこの記事で習得し、即落ちてしまう2割~3割にならないようしっかりと対策をしていきましょう。
この記事の内容
履歴書の完成イメージはどんな感じ?
履歴書が重要な事は分かって頂けたかと思います。
まず良い履歴書を確認してそこから細かく解説をしていきます。
このように完成形をイメージしながら解説を見てもらえると分かりやすいです。
是非参考にしてください。
完成した履歴書は事前に提出する?
最近はWEB面接が普及しているため、事前に履歴書を送るケースもありますが、介護業界では履歴書を事前に送る事はあまり多くありません。
特に紹介会社(エージェント)を利用し面接をする際は、大まかな経歴を書いたスキルシートをお送りし、それを見ていただいたうえで面接の調整をしています。
程度の経歴がわかった状態になっているため、履歴書を事前にお送りするケースはあまり多くありません。
そのため、面接当日に提出した履歴書を元に選考が始まりますの、でしっかりと記載していないと数十分で面接が終わってしまうこともあります。
面接のスタイルにはよりますが、履歴書を元に選考する際は
「この職場にはいつからいつまでいた?」や「資格を取得した月はいつなのか」など細かいミスがあると目立ちますので、しっかり確認して記載するようにしましょう。
履歴書は手書きがいいの?パソコンがいいの?
履歴書を書く際に一番初めに悩むのが「書き方」です。
パソコンでしっかりと作った方が良いのか、温かみがある手書きが良いのか。
こちらは結論どちらでも良いです。
ただ、パソコンと手書きそれぞれのコツがありますので解説をしていきます。
パソコンで書く場合
パソコンで入力する場合は、当たり前ですが誰が打ち込んでも見た目で印象は変わりません。
そのため志望動機や自己PRでしっかりと書き込むことで人柄が出ます。
履歴書を打ち込む中で特に志望動機や自己PRは意識して書きましょう。
詳しい書き方については後ほど解説していきます。
また、パソコンで打ち込んだ履歴書はバランスがよくきれいに見えます。
名字と名前の間のスペースや住所を見やすくするための工夫など(半角スペースを入れる等)をしてみましょう。
場所によっては申し送りの際にパソコン入力であったり、社内の連絡ツールがiPadの場合もありますので、パソコンが使えることで最低限機械操作ができると思っていただき好印象となる事があります。
履歴書作成の際手書き、パソコン問わず、しっかりと隅々までミスが無いかを確認してから印刷をするようにしましょう。
手書きの場合
手書きの場合は丁寧に書けば書くほど印象は良くなります。
字のうまい下手はあまり関係なく(まれに関係あることもありますが)丁寧に書いているかが重要になります。
丁寧に書いているというのは見やすく大きい字で書いているか、誤字脱字が無いか、枠から字がはみ出ていないか等見られる事が多いです。
手書きで記載する場合は、修正ペンなどで修正することは基本的に不可となります。
事前に別紙に各内容をまとめ、枠に収まりきるかを確認したうえで丁寧に清書しましょう。
写真はどんなものを貼ればいい?
次に履歴書に貼る写真です。
写真も実は非常に重要で、よく見られます。
具体的に見られるのは人物の顔等ではなく、写真をどこで撮影しているか、しっかりと枠内に納めて写真を貼れているかを見ています。
ある施設様では、写真のサイズが大きい事や点線に沿って切るのを無視してしまったことで、少しズボラな印象を与えてしまいお見送りになってしまったこともあります。
こちらは一例ではありますがこのような事も少なくありません。
そのため写真は履歴書専用のものを使用しましょう。
自前のカメラ(携帯も含む)で撮影をしたり、私服で撮影をしたりするとあまり印象が良くありません。
最近では履歴書専用の撮影をした際にデータでも写真を貰える機会も多いため、そちらを保管していつでも使用できるようにしておくと無駄な出費も減らすことができます。
書き方は分かったけど細かい内容はどうすればいい?
ここからは実践的な書き方を解説していきたいと思います。
日付、名前、フリガナ、住所の書き方
まず初めに名前やフリガナ、住所等の書き方を解説します。
こちらは基本な内容のため、既に理解している方は飛ばしていただいて結構です。
ただ少しでも不安な事がある場合は是非参考にして下さい。
・日付は面接に行く日にしましょう。
細かいですが、ここを見ている施設様もいますので注意しましょう。
・名字と名前の間はスペースを開けて見やすくする。
スペースからはみ出さないように注意しましょう。
・住所は省略をしないようにしましょう
地元での転職の場合、わかっているだろうという思いから市区町村から書く方もいますが、NGです。住所のマンション名等も同じく省略せず細かく記載しましょう。
・フリガナは履歴書に合わせる
フリガナとある場合はカタカナで書き、ふりがなとある場合はひらがなで書きます。
また、全部に共通して言える事ですが必ず黒のボールペン記載しましょう。
資格の書き方
こちらも正式名称で書きましょう。
例(× 普通免許 取得 →〇 普通自動車第一種運転免許 取得 等)
また、資格は試験を受けた日ではなく取得した日を記載してください。
ハローワークインターネットサービスの履歴書の書き方によると、
記載する順番は特に決まりはなく、アピールをしたい資格から書いていっても良いとあります。
資格の中でExcelやWordの検定等をお持ちの場合は、記載することである程度パソコンを使える方だと判断頂ける事もあるため忘れずに記載するようにしましょう。
取得・合格・修了の違いって何??
間違いやすい「取得」と「合格」の違いを見ていきましょう。
定義 | 例 | ||
取得 | ・免許証が発行されるもの ・免許が無いと仕事ができないもの | ・介護福祉士 ・看護師 ・自動車運転免許 | |
合格 | ・一定の基準を超えて合格するもの ・合格証が交付されるもの | ・簿記 ・英検 | |
修了 | ・定められている教育・訓練・研修などを完了し終えること | ・初任者研修 ・実務者研修 |
介護職でよく使う資格は、下記になります。間違わないように記載しましょう。
- 認知症介護基礎研修 ・・・修了
- 介護職員初任者研修 ・・・修了
- 介護福祉士実務者研修 ・・・修了
- 介護福祉士 ・・・取得
- 介護支援専門員 ・・・取得
- 社会福祉士 ・・・取得
どの資格まで書けばいい?
資格欄は職歴欄に比べそこまで多くない為、多くの資格を持っている際は厳選して資格を書くようにしましょう。
面接する企業に併せて行かせそうな資格は積極的に書いていきましょう。
介護業界で持っていると良い資格一覧は下記のようになります。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
- 介護支援専門員
- 精神保健福祉士
- 社会福祉主事任用
- 社会福祉士
- 喀痰吸引等研修
- レクリエーション介護士
- 介護予防運動指導員
たくさんの資格がるため上記は一例ですが、介護業界に関連していそうな資格は積極的に記載しましょう。
経歴の書き方
経歴を記載するうえでで最も重要なことは、働いた期間を正しく記載するということです。
もちろん書き方も重要ですが、正社員の期間が2社でかぶってしまっていたり、実際の就業期間より長くしたり、短くしたりして帳尻を合わせたりすることはやめましょう。
意図的で無いにしても、確認した際に経歴が大きく違う場合は経歴詐称とみなされ、退職を余儀なくされる事もありますので正確に書きましょう。
その上で書き方が重要になりますので細かく解説をしていきます。
簡略語は使わない
経歴を書く際によくやってしまうのが「簡略語」です。
例としては、(株)(社福)(医)やH5(平成5年)などがよく見られます。
こちらは書くときには簡単になりますが、正式名称で書く事が好ましいため、省略せずに記載しましょう。
入社・入職の違い
介護業界では「入職」を使います。下記の表を参考にしてください。
入職 | 民間企業などの会社で「社員」として働くことを指す | |
入社 | 学校や病院といった医療福祉関係施設、行政機関などで「職員」として働くことを指す |
これ以外にも、銀行の場合は「入行」、テレビ局であれば「入局」と表します。
異業種の転職等を経て履歴書を書く人は注意しましょう。
アルバイトや派遣社員等の記載はカッコ書きで補足
経歴を書くときに悩むのがアルバイトの期間です。
転職活動をしっかりするために短期間のバイトをしていた方もいるかと思います。
書き方としては 「社会福祉法人○○ 入職(アルバイト)」等と書くのが良いです。
派遣社員の場合は「株式会社○○より社会福祉法人○○へ○○業務で派遣(令和○年○月末まで」と書きます。
派遣社員の期間は職務経歴書を提出しない場合は勤務内容や配属部署名等を記載すると非常に親切です。
退職理由はどう書けばいい?
退職理由に関してはそれぞれ細かく書く場合は長くなることもありますので簡潔にまとまる場合は記載し、それ以外は『一身上の都合により退職』と書くのが一般的になります。
簡潔にまとまるものの例としては、『会社都合により退職』、『出産により退職』、『定年退職』などがあります。
面接の際に退職理由は必ず聞かれますのでやむを得ない理由の場合は口頭で補足しましょう。
また、最後は必ず『以上』で締めましょう。
志望動機の書き方は?3つのポイントを踏まえて解説!
面接する企業のホームページを確認しましょう!
面接をする前や求人に応募する前には、必ずホームページを確認しましょう。
その際に企業理念や一日の仕事の流れなどを確認しましょう。
企業理念や施設の方針に共感した部分があれば、志望動機に織り交ぜて書いてみましょう。
【例】
貴施設の掲げる○○という理念に非常に共感しました。
私が今まで経験してきた○○を活かすことができると思い、志望しました。
企業理念などを知ることでより一層相手に思いが伝わります。
施設のことを良く知ったうえで履歴書を記載するのがおすすめです。
また、ブログやSNSが掲載されていた場合は、そちらも目を通してみましょう。
ブログやSNSには、イベントの様子や普段のご入居者様の様子、担当者の思いなどが投稿されていることが多いため、共感できる部分を探すのにぴったりです。
【例】
SNSでイベントの様子を拝見した際に楽しそうなご利用者様の姿があり、
1人1人と向き合って楽しく過ごしていただくお手伝いができると感じ、志望いたしました。
また、ホームページやSNSを確認することで自分も施設の雰囲気を知ることが出来、入職後のリスクが少なくなるため、しっかり確認しましょう。
自己PRを簡潔にわかりやすく書きましょう!
先ほどお話をしたように介護業界では履歴書を事前に送る事があまり多くなく、面接当日に見ますので簡潔に書くためのポイントを絞って見ていきます。
ポイントを絞るといっても記入欄は8割は埋まっている事が前提です。
中でも文章は見やすく簡潔に書く事が好ましいです。
書き方の例としては「今までの経験からこんなことをしてきた」や「過去の経験から貴施設のこのような部分に貢献できる」などわかりやすく書く事が重要です。
また、見るポイントは法人によって変わりますが、基本的にはその方の「能力」や「どのような経験をしてきたか」、「短期退職のリスクは無いか」などを重点的に見ます。
特に退職のリスクは施設が最も気にするポイントです。
今までの経験から、「私の目指している介護像はこうです」や「利用者への対応はこうあるべき」など、自分の信念が施設の理念に沿っていない場合は、良くない印象を与えてしまいます。
もちろん、今までのご自身の経験から「こうしたい」、「ああしたい」という信念はあると思います。ですが、あまり主張しすぎると「うちとは合わないかも…」と判断される可能性があるため、注意しましょう。
志望動機や自己PRが長くなりすぎてしまう場合には、口頭で伝える事を前提に枠内に収めるようにしましょう。
※補足になりますが面接を受ける施設は『貴社』(施設の場合は貴施設、病院の場合は貴院)と書きましょう。
良く間違いがちな「御社」は話し言葉のため、口に出すときは「御社」字で書くときは「貴社」が正しいです。
その施設で働きたいという気持ちを伝える
志望動機等を書く際にはよくあるのが「高齢者が好きで志望しました」や「介護施設で働いてみたいので」といった理由があります。
こちらの理由でも問題無いですが、アピールのためもう一歩踏み込んで書いてみましょう。
その際はその企業でしかない特色を織り交ぜるのが良いです。
【例】
高齢者が好きで志望をしました。
特に貴施設の○○という理念を拝見し、考え方や高齢者を思う気持ちに共感しました。
など、汎用的な理由ではなく、貴施設がいいという理由を踏み込んで書く事で担当者に好印象を与えられます。
ただ、その施設を希望する理由として、「給料がいいから」や「資格支援制度があるから」などは、他にもっといい制度や給与があった場合そっちに行ってしまうのではないか?とと思われてしまう可能性もあります。そういった「制度」や「給与」に触れる際には注意しましょう。
注意すべき理由(一例)
- 家から近い
- 給与条件が良い
- 資格が取れる
- 紹介会社から勧められた
- 働き方があっている(夜勤をやりたくない など)
こちらの内容を書く際には注意しましょう。
一つの条件だけだと思われないための例として、家から近い事を伝えたい場合は、
「家から近く、よく貴施設を見ていました。その際に○○な雰囲気を感じて興味を持ちました。」
など、家から近いことだけではなく、施設の雰囲気がいいという別の要素を併せて伝えると、「家が近いだけで応募した」とは思われづらくなります。
そのため、家が近い場合は応募施設の下見などをしておくのが良いかと思います。
上記の例を参考に是非「家が近いだけで応募した」などと勘違いをされないように記載していきましょう。
本人希望欄の書き方
本人希望欄に関しては、空欄にするのはNGです。
書く事が無い場合は『貴社/貴施設の規定に従います。』と記載しましょう。
この記事を見ている方は転職活動をしている方だと思います。
「条件を提示して、希望の条件で入職したい!」と考える方もいると思いますが、その希望を書きすぎると、面接官は「希望が多いので今後も多く希望を出してきそう」など、採用後の事を考えて内定を頂けなくなってしまうケースがあります。
ただやむを得ない理由の場合(お子様が小さいため夜勤は難しい、身内の介護があるためこの時間しか働けない)は記載しましょう。
「月給○○万以上ほしい」「早く起きるのが苦手だから早番は無し」などは書かない方が好印象です。
「貴社/貴施設の規定に従います」と書いておき、面接の際に口頭で伝えるのが良いでしょう。
持ち運びの際の注意点
最後に持ち運び時の注意点になります。
当たり前の事ではありますが履歴書をバックにそのまま入れてしまい、折れ目がついてしまったり雨で濡れてしまったりしてしまうと、受け取った方はあまりいい印象ではありません。
そのため必ずファイルや封筒に入れて持ちましょう。
また、そもそも履歴書を忘れてしまう事は絶対にやめましょう。
履歴書が無い場合面接すらしてもらえない場合があります。日程をずらしたとしても、履歴書を忘れたという事実は消えませんので、内定へのハードルが上がります。
そのため履歴書を忘れることは絶対に無いようにしましょう。
面接を受ける際に、複数面接がある場合は特に入れ間違いにも気をつけましょう。
志望動機も施設に合わせて記載する為、履歴書を間違えた場合志望動機などがかみ合わなくなります。
複数施設面接を受ける際は気をつけましょう。
当たり前の事ではありますが、履歴書を忘れたり、しわになっていたりすることで内定が出ないこともあります。
志望動機等しっかりと書いていても、履歴書自体がきれいな状態でないと良い印象にはつながりません。
まとめ
今回は履歴書の書き方について解説しました。
筆者の経験を元に書いた部分も多いため、共感できない部分もあるかもしれません。
共感できた部分だけを抜粋していただき、是非内定の出る履歴書に仕上げてもらえればと思います。
内定が出なくて悩んでいる方やこれから面接を受ける方等、参考に頂き一件でも多く内定が出ることを祈っています。
この記事を書いたのは・・・
介護転職のミカタ編集長・O
保有資格:図書館司書
介護・保育・障害領域の人材紹介会社にて、キャリアアドバイザーを経験。
現在はマーケティングチームの係長&コラム編集長として活躍中