ブラックな介護施設の見分け方を解説!現役介護職の経験談も紹介

介護職として働きたいけど、「ブラックな介護施設だけは避けたい」と思いますよね。ブラックな環境はストレスが大きく、入社してもすぐに離職する恐れがあります。

本記事では、ブラックな介護施設の特徴と、見学・面接時に確認すべきポイントをわかりやすく解説します。さらに、現役介護職員が実際にブラックな施設だと感じた体験談も紹介します。

事前に施設の実態を見極める力を身につけることで、安心して働ける職場を見つけやすくなるでしょう。

ブラックな介護施設とは?

ブラックな介護施設とは、法律や労働基準を守らず、職員が安心して働けない環境が放置されている施設のことです。

具体的には、以下のような状況が挙げられます。

 ・求人票と実際の労働条件が大きく異なる
 ・サービス残業が常態化している
 ・上司によるパワハラが黙認されている

たとえば、夜勤は月4回程度と記載しながら実際は8回以上を強制したり、休憩が取れない状況が常態化しているケースなどです。

こうした問題が放置されると、職員の心身の負担につながるだけでなく、退職者が増え人材不足に陥ることで、介護サービスの質が低下します。ブラックな介護施設は、職員にも利用者にも不利益が生じます。

ブラックな介護施設の特徴

ブラックな介護施設の特徴を知っておくことで、転職時のミスマッチを防ぎやすくなります。

本章では、ブラックな介護施設に見られる特徴を具体例とともに解説します。

求人内容と実際の労働条件が違う

ブラックな介護施設では、求人票に記載された条件と実際の働き方が異なるケースがあります。

たとえば次のような例です。

 ・日勤のみと記載されているのに夜勤を求められる
 ・「残業ほぼなし」と書かれているのに毎日1〜2時間の残業がある

このように、人手不足を理由に求人内容と異なる働き方を求められることも少なくありません。

そのまま受け入れてしまうと、心身への負担が大きくなるおそれがあります。違和感を覚えた場合は、管理者や本部に早めに確認し、対応を検討することが重要です。

いじめやハラスメント行為が確認できる

職場内でいじめやハラスメントが発生している、またはそれを管理者が放置している介護施設は注意が必要です。

たとえば次のような例です。

 ・新人に対する過度な叱責
 ・必要な情報を共有しない
 ・特定の職員に業務を集中させる

このような環境では、職員の精神的な負担が大きくなりやすくなります。

その結果、職員の離職やモチベーション低下につながり、介護サービスの質にも影響する可能性があります。

いじめやハラスメントの有無は、見学時の職場の雰囲気や、転職エージェントからの事前情報などを参考に判断することが重要です。

以下の記事では、人間関係の良い職場の選び方や改善のポイントなどを解説しています。

介護業界で重要なのは人間関係!?改善のポイントと良い職場の選び方を解説

サービス残業や長時間労働が常態化している

サービス残業や長時間労働が常態化している介護施設も、ブラックな環境と言えます。

ブラックな介護施設は、業務の多さに対して人員が不足しており、サービス残業や長時間労働が日常になっているケースがあります。

たとえば次のような例です。

 ・記録業務を勤務時間外に行う
 ・毎日30分〜1時間程度のサービス残業がある
 ・5日以上の連続勤務が発生している

このような職場では、人員不足や業務量の偏りにより、長時間労働が常態化しているケースも少なくありません。

長時間労働が続くと、職員の疲労が蓄積しやすくなります。

その結果、離職や介護事故のリスクが高まる可能性があります。

勤務時間や残業の実態については、面接時や見学時に具体的に確認しておくことが重要です。

以下の記事では、介護職のサービス残業の要因と削減するための対策をまとめています。

介護職は残業が多いって本当?サービス残業の要因と対策も解説

【施設見学時】ブラックな介護施設の見分け方

まずは施設見学時の、ブラックな介護施設の見分け方を紹介します。

実際に介護施設を見学することで、職員の雰囲気や施設の清潔さなど、働きやすさを判断する重要なポイントが見えてきます。

職員の表情が暗く挨拶や声かけが少ない

見学時には、職員の表情や挨拶の様子を意識して確認しましょう。

働きやすい施設では、利用者への声かけだけでなく、見学者に対しても自然に挨拶や対応が行われるのが一般的です。

一方で、以下のような様子が見られる場合は、ブラックの可能性があります。

 ・職員の表情が暗く、疲れているように見える
 ・目を合わせない、挨拶がほとんどない
 ・現場全体に余裕がなく、慌ただしい雰囲気がある

このような状況は、人手不足や人間関係の問題など、職場環境に課題があるサインの可能性があります。

見学時は、単に説明を聞くだけでなく、職員の雰囲気や対応を客観的に観察することが重要です。

清掃や整理整頓が行き届いていない

見学時には、施設内の清掃や整理整頓の状態を確認しましょう。

働きやすい施設では、共有スペースや事務所内が整っており、清潔な環境が保たれていることが一般的です。

一方で、以下のような点が見られる場合は注意しましょう。

 ・共有スペースの床に汚れが目立つ
 ・事務所周辺が整理されていない
 ・排泄物の臭いが残っている

清掃や整理整頓ができていない場合は、業務が回っていない、または環境整備が十分に行われていないサインの可能性があります。

見学時は、設備の新しさだけでなく、日常的な管理が行き届いているかという視点で確認することが重要です。

介護現場を見せたがらない

見学時には、どこまで施設内を案内してもらえるかを確認しましょう。

働きやすい施設では、職員の働き方や利用者の様子を含め、現場の雰囲気が伝わるように案内してくれることが一般的です。

一方で、以下のような対応が見られる場合は注意が必要です。

 ・「今日は忙しいのでロビーのみ」と見学範囲が制限される
 ・介護現場や職員の様子を見せてもらえない
 ・具体的な業務内容についての説明が少ない

このような場合、実際の働き方や職場環境を見せたくない事情がある可能性も考えられます。

見学時は、案内の範囲や説明内容にも注目し、情報が十分に開示されているかを判断することが重要です。

【面接時】ブラックな介護施設の見分け方

面接時も、施設側の考え方や労働条件などを確認することで、ブラックな介護施設であるかを見分けられます。

ここでは、ブラック介護施設に見られる、面接時の特徴を具体的に解説します。

精神論ややりがいなどを強調してくる

面接では、どのような質問や説明が中心になっているかにも注目しましょう。

本来であれば、業務内容や勤務条件について具体的な説明がある一方で、やりがいについてもバランスよく触れられるのが一般的です。

しかし、以下のようなやり取りが目立つ場合は、ブラックの可能性があります。

 ・「やる気はありますか?」といった抽象的な質問が多い
 ・「何でもやる覚悟はありますか?」など精神論が強調される
 ・利用者第一の姿勢ばかりが語られ、業務負担の説明が少ない

こうした傾向がある場合、現場の負担を精神論で補っているかもしれません。

違和感を覚えたときは、具体的な業務内容や働き方についてこちらから確認してみることが大切です。

条件面の説明がまったくない

面接では、給与・勤務時間・休日などの条件について、どの程度具体的に説明されるかを見ておきましょう。

通常、働きやすい施設であれば、条件面について丁寧に説明があり、応募者からの質問にも具体的に答えてくれます。

一方で、条件の説明がほとんどない、または話題を避けるような対応が見られる場合は、入社後のミスマッチにつながるでしょう。

 ・給与や手当について具体的な説明がない
 ・勤務時間や残業について曖昧な表現が多い
 ・質問してもはっきりとした回答が得られない

このような場合、実際の働き方や待遇が事前のイメージと異なり、長時間労働や想定外の業務負担につながる恐れもあります。

気になる点があるときは、その場で具体的に確認し、納得できる説明が得られるかを判断材料にすると安心です。

求人内容にない業務を要求してくる

面接では、求人票に記載されている業務内容と、実際に求められる働き方に違いがないかを確認しておきましょう。

本来であれば、求人内容と実際の業務に大きなズレはなく、追加業務がある場合も事前に丁寧な説明があります。

しかし、面接の場で以下のような話が出た場合は、慎重に入社を判断しましょう。

 ・介護業務のみのはずが「送迎もお願いするかもしれない」と言われる
 ・日勤のみのはずが「夜勤もできるなら合格」と条件が変わる
 ・求人に記載のない業務を前提として話が進

このようなケースでは、入社後に当初の条件と異なる働き方を求められる可能性があります。その結果、業務量が増えたり勤務条件が変更されたりするかもしれません。

違和感を覚えた場合は、その場で業務範囲や勤務条件を具体的に確認し、納得できるかどうかを判断することが大切です。

現役介護職がブラックな介護施設と感じた瞬間

ここでは、筆者が実際に見学や面接、入職後に感じたブラックな介護施設の特徴を解説します。

主観も含まれているため、ブラックな介護施設を見分ける際の参考にしてください。

【見学時】施設全体が暗く清掃も行き届いていない

見学で施設に入った瞬間、「照明が暗い」「床にホコリが目立つ」「排泄臭が強い」といった違和感がある場合は、労働環境が整っていない可能性があります。

筆者が見学した施設では、昼間にもかかわらず共有スペースは薄暗く、過度な節電をしているように感じました。また、パソコンがある事務所周辺が散らかっており、整理整頓が行き届いていない様子でした。

さらに職員からの挨拶がほとんどなく、施設全体の雰囲気は良好とは言えない常態でした。条件面では、賞与6ヶ月分と記載されていましたが、基本給は14万円で昇給がないという内容でした。

見学時の第一印象は、職場環境を判断する重要なポイントです。

【面接時】面接官が威圧的で即採用を求めてくる

面接官の態度が威圧的だったり、即採用を求めてきたりする場合は、ブラックな環境を疑ったほうがいいでしょう。

筆者が面接を受けた特別養護老人ホームでは、応接室に入ると、男性の面接官2名が踏ん反り返ってソファーに座っていました。第一声は「どうぞ」と目の前の椅子に座るよう促す言葉だけで、挨拶もなく威圧的な印象を受けたことを覚えています。

面接では求人内容に記載のない仕事を要求されたり、その場で返答することを条件に採用を示唆されたりしました。また面接官は敬語を使わず、終始くだけた口調で対応していました。

求人内容とは異なる仕事の提示や即時の意思決定を求める対応が見られる場合は、ブラックな介護施設の可能性があるため、入社は慎重に判断しましょう。

【採用後】会議への参加が強制でサービス残業扱い

実際に入社後、ブラックな介護施設だと感じた経験もあります。たとえば、以下のような事例です。

 ・会議への参加は強制にもかかわらず給与は発生しない
 ・記録業務をサービス残業でおこなうことが当たり前になっている
 ・就業開始の15分前には業務を開めるよう求められる

とくに会議への参加の強要は、大きなストレスでした。夜勤明けや休日でも参加を強制され、給与も発生しない中で何のために働いているのかわからなくなったことを思い出します。

当時の上司に、「給与が発生しないのはおかしいのではないか」と相談したところ、「会社のルールで決まっているから従いなさい」と回答されました。

10年以上前の経験であり、時間外勤務に対する考え方に違いがあった可能性はあります。しかし、サービス残業を当然のように求める介護施設は、ブラックな可能性が高いでしょう。

ブラックな介護施設を避けて転職を成功させるポイント

ブラック施設を避けるには、求人選びだけでなく、見学や面接など、それぞれのポイントを意識することが大切です。

ここでは、ブラックな介護施設を避けて、転職を成功させるための具体的なポイントを紹介します。

ブラック介護施設の特徴を事前に把握しておく

転職活動を始める前に、以下のようなブラックな介護施設に共通する特徴を理解しておきましょう。

 ・求人内容と実際の業務が違う
 ・サービス残業が当たり前になっている
 ・職員同士の雰囲気が悪い

このような特徴を知っておくことで、求人内容や口コミ、見学時の雰囲気から、ブラックな介護施設を判断しやすくなります。

介護転職の失敗理由や成功ポイントは、以下の記事でも解説しています。

介護職の転職失敗の理由は?事例から学ぶ成功のポイント紹介

求人内容だけで判断しない

求人票の情報だけで「良い職場かどうか」を判断するのは危険です。なぜなら、求人情報は施設側が見せたい内容が中心に記載されており、現場のリアルは反映されていないことがあるからです。

たとえば「残業ほぼなし」と記載されていても、実際には記録業務が勤務時間内に終わらず、毎日残っているケースもあります。待遇や手当の数字だけでなく、離職率や職員の口コミ、面接時の雰囲気など複数の情報源を組み合わせて判断することが大切です。

介護求人の探し方や、良い職場の見極め方は、以下の記事でわかりやすく解説しています。

介護求人の探し方をわかりやすく解説|良い職場の見極め方も紹介

見学や面接で介護施設の実態を確認する

見学や面接など、実際に施設を訪れて、職員の表情・清掃状況・働く空気感など、求人では見えない情報を確認することも重要です。
面接時には、労働条件の説明が曖昧だったり精神論ばかりが協調されるなど、ブラックな介護施設に共通する違和感に気付けます。

見学では、利用者様への声掛けは丁寧か、清掃が行き届いているかなど、現場でしか確認できない情報をしっかり見ておきましょう。

複数の求人に応募し比較する

介護施設への転職を検討する際は、1つの求人だけで判断せず、複数の求人情報を比較しながら見極めることが大切です。

さまざまな施設の面接や見学を経験すると、施設ごとの雰囲気や運営方針の違いが明確になり、ブラックな傾向のある職場も判断しやすくなります。また複数の求人を比較することで、自分が重視したい条件も自然と整理されます。

給与だけでなく、教育体制や人員配置、管理者の対応など総合的に判断することで、ブラックな介護施設への転職を避けられるでしょう。

介護業界に特化した転職支援を活用する

介護業界に特化した転職支援サービスを活用すると、ブラックな介護施設を避けやすくなります。

転職支援の担当者は、各施設の離職率や内部の雰囲気、過去のトラブル事例など、一般公開されていない情報を持っているかもしれません。

また、希望条件の整理や面接対策、給与交渉のサポートを受けられるため、転職活動の負担が軽減されます。介護業界の転職支援サービスは、初めて転職する方にとっても心強い存在です。介護職専門の転職支援サービス「介護転職のミカタ」では、求職者一人ひとりに寄り添ったサポートが特徴です。

ブラックな介護施設は絶対に避けたいという方は、ぜひお気軽に相談してください。

まとめ

ブラックな介護施設には、求人内容との不一致やハラスメント、サービス残業の常態化など、いくつかの共通する特徴があります。
そのため、見学時の職員の表情や清掃状況、面接時の説明内容などを確認することで、ブラックな介護施設を事前に見極めやすくなります。

複数の求人を比較したり、転職支援サービスを活用したりしながら、信頼できる職場を選ぶことで、ブラックな介護施設を避けられるでしょう。

この記事を書いたのは・・・

津島 武志/Webライター

保有資格:介護福祉士/介護支援専門員/社会福祉士
業界17年目の現役介護職兼ケアマネージャー。
さまざまな介護系メディアでWebライターとしても活動し、多くの検索上位記事を執筆。
介護職以外に転職メディア「介護士の転職コンパス」や自身のライフスタイルや介護系コンテンツを発信するYouTubeチャンネル「かいご職TV」等を運営。