介護職の退職願の書き方とは?転職経験のある筆者が徹底解説

退職を検討している介護職員のなかには、「退職願ってどう書くの?」「退職届との違いは?」と疑問を持つ方もいるでしょう。

スムーズに退職するためには、退職願・退職届の提出を含めた、必要な手続きを計画的に進めることが重要です。

本記事では、介護職員向けに退職願・退職届の書き方や退職の流れについて解説します。また、退職時の注意点や円満退職のためのポイントも紹介しているので、退職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

介護職向け退職願・退職届の書き方

退職を決意したものの、「退職願と退職届の違いがわからない」「どう書けばいいのか不安」と感じる方もいるでしょう。

本章ではまず、介護職向けに退職願・退職届の基本的な書き方を、見本とともにわかりやすく解説します。

退職願の見本と書き方

退職願は、退職の意思を申し出るための書類です。正式に退職が決まる前の意思表示として提出します。

基本的な書き方は以下の通りです。

  • タイトルは「退職願」と記載する
  • 書き出し:「私事」から始める
  • 本文:退職理由と退職希望日を簡潔に記載する
  • 日付・所属・氏名を記載する
  • 法人の代表名を記載する

【例文】

退職願私事
このたび、一身上の都合により、令和八年三月三十一日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
令和八年一月三十一日
特別養護老人ホーム〇〇所属山田花子
社会福祉法人〇〇 理事長 鈴木 一郎 殿

理由は詳細に書く必要はなく、シンプルに「一身上の都合」で問題ありません。

なお、退職願はあくまでお願いの書類であるため、会社側の承認前であれば内容を見直す余地がある点が、退職届との大きな違いです。

退職届の見本と書き方

退職届は、退職が確定した後に提出する正式な書類です。退職願とは異なり、退職日を明記して提出します。

基本的な書き方は以下の通りです。

  • タイトルは「退職届」と記載する
  • 書き出し:「私事」から始める
  • 本文:退職理由と退職日を明確に記載する
  • 日付・所属・氏名を記載する
  • 法人の代表名を記載する

【例文】

退職届私事
このたび一身上の都合により、令和八年三月三十一日をもって退職いたします。
令和八年一月三十一日
特別養護老人ホーム〇〇所属山田花子
社会福祉法人〇〇 理事長 鈴木 一郎 殿

退職届は意思が確定していることを示す書類のため、提出前に退職日や条件に問題がないか確認しておくことが重要です。

そのため、「退職の意思を伝える段階」で使う退職願とは異なり、提出前に内容に誤りがないか慎重に確認しておきましょう。

封筒の書き方・書類の折り方・入れ方

退職願や退職届は、白無地の封筒に入れて提出するのが一般的なマナーです。

封筒の表面には「退職願」または「退職届」と記載し、裏面には自分の所属と氏名を書きます。

退職願・退職届の折り方は、以下のとおりです。

  1. 退職願(退職届)表向きに置く
  2. 用紙の下から3分の1を上に向けて折る
  3. 用紙の上から3分の1を下に向けて折る

続いて、退職願・退職届の封筒への入れ方は、以下のとおりです。

  1. 書類の表面右上部分が、封筒の裏面右上部分と重なるように入れる
  2. 書類を封筒に入れたら、封筒の上部に「〆」を書く

のり付けは必須ではありませんが、提出時の丁寧な印象を考えると軽く封をしておくとよいでしょう。

封筒や書類を丁寧に整えて提出することも、社会人としての基本的なマナーです。

介護職員が退職するまでの流れ

退職は書類を出すだけで完了するものではなく、いくつかの手順を踏む必要があります。

本章では、介護職員が退職するまでの一般的な流れを解説します。

退職の意思を伝えるタイミング

退職の意思は、できるだけ早めに直属の上司へ伝えることが重要です。一般的には、退職希望日の1〜2ヶ月前を目安に相談すると、余裕を持って手続きを進めやすくなります。

介護職はシフト制のため、急な退職は現場に大きな影響を与える可能性があります。そのため、余裕をもって伝えることで、職場側も人員調整や引き継ぎの準備がしやすくなります。

また、いきなり書面を提出するのではなく、まずは口頭で相談しましょう。食事や申し送りの忙しい時間帯は避けて、落ち着いて相談できるタイミングを選ぶことが大切です。

筆者の場合は、ご利用者様が休まれた遅番後の時間帯を使って、上司に退職の意向を伝えました。

退職願・退職届の提出

上司との話し合いで退職の意向が固まったら、退職願または退職届を提出します。

口頭で上司に相談し退職が確定している場合は、退職届を提出しましょう。筆者も口頭で退職の意向を伝えた後に、上司の指示のもと退職届を提出しました。ただし、職場によって仕組みが異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

提出方法は、直接上司に手渡しするのが一般的です。メールやLINEで済ませるのではなく、正式な書面として丁寧に提出することで、認識のズレやトラブルを防ぎやすくなります。

退職日までの流れ

退職届が受理された後は、退職日までに必要な引き継ぎや手続きを進めます。

具体的には、以下のような内容です。

  • 担当業務の引き継ぎ
  • 利用者情報の整理
  • 記録の確認
  • 会社携帯や名札などの返却

とくに介護職が退職する際は、ご利用者様への影響を最小限にするためにも、情報共有を丁寧に行うことが大切です。

また、最終出勤日や有給休暇の消化、必要書類の受け取りなどについても早めに確認しておきましょう。最後まで責任を持って対応することで、円満に退職しやすくなるでしょう。

退職時の注意点とよくあるトラブル

退職時には、手続きや対応を誤るとトラブルにつながることがあります。

本章では、介護職が退職する際の注意点とよくあるトラブル、その対処法を解説します。

誰に提出すべきか

退職願や退職届は、基本的に直属の上司に提出します。いきなり施設長や人事部に渡すのではなく、まずは現場を把握している上司に相談することが大切です。

上司を通すことで、退職時期や引き継ぎの調整がスムーズに進みやすくなります。また、施設によっては管理者や事務長など提出先が決まっている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

適切な順序で提出することで、不要なトラブルを防ぎ、円満に退職しやすくなります。

退職願が受理されない場合

退職願を提出しても、「受理されなかったらどうしよう」と不安に感じる方もいるでしょう。

退職は法律上認められている権利であり、会社の承認がなくても一定の手続きを踏めば成立します。そのため、受理されない場合でも、冷静に話し合いながら手続きを進めることが重要です。

退職理由や希望時期をあらためて説明し、それでも受理されない場合は、退職届を提出して意思を明確に伝えましょう。

出典:e-Govポータル「民法 第六百二十七条

感情的にならず、落ち着いて対応することがトラブル回避につながります。

引き止められた場合の対応

介護業界は人手不足の施設も多く、退職を伝えると引き止められるケースも少なくありません。たとえば、待遇改善や配置転換を提案されることもあります。

その際は、提示された条件だけで判断するのではなく、自分が退職を考えた理由を整理することが大切です。根本的な理由が解決されない場合、待遇改善や配置転換をしても再び同じ悩みを抱える可能性もあります。

引き止めに対して曖昧な対応をすると、話が長引く原因になります。退職の意思は、はっきり伝えることが大切です。

筆者も引き止められた経験がありますが、すでに退職の意思が固まっていたため、はっきりと退職する気持ちを伝えました。

人手不足を理由に辞められないと言われた場合

上司に退職の意思を伝えると、「人手不足だから退職できない」と言われる可能性もありますが、退職は個人の権利です。

職場の事情を考慮することも大切ですが、それによって退職の自由が制限されるものではありません。

退職の意思が固まっている場合は「〇月〇日で退職します」と期限を明確に伝えましょう。また、引き継ぎ内容やスケジュールを共有し、スムーズに退職できるよう配慮すると、職場側も対応しやすくなります。

人手不足を理由に退職を認められなくても、焦らず一つひとつ冷静に進めることで、安心して退職できるでしょう。

介護職が円満退職するためのポイント

円満に退職するためには、手続きだけでなく、周囲への配慮も重要です。

本章では、円滑に退職するためのポイントを、筆者の経験も交えながら紹介します。

早めに退職の意向を伝える

退職の意思は、できるだけ早めに伝えることが重要です。とくに介護現場では、シフト調整や人員配置が密接に関わるため、直前の申し出は現場に大きな負担をかけてしまう可能性があります。

そのため、退職希望日の1〜2ヶ月前を目安に、まずは直属の上司へ口頭で相談するのが一般的なマナーです。早めに伝えることで、後任者の確保や引き継ぎの準備が進めやすくなり、職場側との信頼関係も保ちやすくなります。

筆者も2ヶ月前に退職の意思を伝え、その期間で引継ぎや残っている業務を済ませました。

余裕を持って退職の意思を伝えたら、職場への負担を最小限に抑えて退職日を迎えやすくなるため、自分自身も前向きな気持ちで次のステップに進めます。

引き継ぎ業務は計画的に行う

引き継ぎは、後任者やチームの負担を軽減するために欠かせない重要な業務です。介護職の場合は、ご利用者様ごとのケア内容や注意点など、個別性の高い情報を正確に共有する必要があります。

そのため、日々の業務内容や対応のポイントを整理し、誰が見ても理解できる形でまとめておくことが大切です。残る同僚や上司も気持ちよく送り出しやすくなります。

引き継ぎは、余裕を持ち計画的に進めることで、周囲への負担も最小限に抑えられるため、円満な退職につなげやすくなります。

最後まで責任を持ち仕事を全うする

退職が決まった後も、最後まで責任を持って業務に取り組むことが大切です。退職日が近づくと気が緩むかもしれませんが、その態度が周囲に伝わり、職場の信頼関係に影響を与える恐れがあります。

今の職場の経験を次のキャリアに活かすためにも、最後までご利用者様への対応を丁寧に行い、記録や申し送りなど介護職としての仕事を全うしましょう。

同僚との連携も意識しながら業務に取り組むことで、良い関係を保ったまま退職しやすくなります。円満退職で信頼関係を維持しておくことで、今後またどこかで一緒に仕事をする際の財産となるでしょう。

まとめ

介護職の退職は、正しい手順を踏むことでスムーズに進めやすくなります。退職願や退職届の違いや書き方を理解し、適切なタイミングで提出することが大切です。

また、引き継ぎや周囲への配慮を意識して行動することで、円満退職にもつながります。安心して次のキャリアへ進むためにも、事前準備をしっかりおこない、計画的に手続きを進めましょう。

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この記事を書いたのは・・・

津島 武志/Webライター

保有資格:介護福祉士/介護支援専門員/社会福祉士
業界17年目の現役介護職兼ケアマネージャー。
さまざまな介護系メディアでWebライターとしても活動し、多くの検索上位記事を執筆。
介護職以外に転職メディア「介護士の転職コンパス」や自身のライフスタイルや介護系コンテンツを発信するYouTubeチャンネル「かいご職TV」等を運営。