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介護職員初任者研修は、これから介護の仕事を探そうとしている人が最初にチャレンジする研修です。
受講するにあたって条件はありません。介護職でない人でも受講できますし、年齢の制限もなく、多様な人々が受講しています。

本記事では、介護職員初任者研修の取り方を解説しています。
便利な制度やスクール選びについても解説しているので、最後まで読んでみてください。

介護職員初任者研修とは

介護職員初任者研修は、旧ホームヘルパー2級の後継として位置づけられている研修です。
介護職としての基礎知識や、介護技術を身につける目的で実施されています。

研修は130時間あり、座学や実技をとおして、介護について体系的に学べます。研修の一部はオンライン受講が認められているので、仕事や子育てに忙しい人も比較的参加しやすい研修です。

修了時の試験があり、合格すると資格取得となります。
これから介護の仕事を目指す人や、介護職員としての経験がまだ浅い人におすすめです。

介護職員初任者研修の取り方

介護職員初任者研修は独学では取れないため、研修を実施しているスクールや介護施設などでの受講が必要です。

ここでは、それぞれのメリットやデメリットを見ながら解説していきます。

スクールに通う

介護職員初任者研修を取得するには、スクールに通う方法があります。

スクールに通学すると、講師がそばにいるため疑問をすぐ解消できます。また、実際に自分の身体を動かしながら介護技術を学んだり、仲間たちと励まし合って研修に取り組めるのがメリットです。

一方で、デメリットもあります。
スクールの場合は費用が高くなりがちです。スクールによっては10万円をこえる場合もあります。

また、仕事のあとや、子育ての合間を縫っての通学になることが多いため、スケジュールの都合がつかず、休まなければならないケースもあるでしょう。
通学する場合は、仕事のシフトや家庭の都合も考えつつ、スケジュール調整が必要です。

研修を実施している機関に通う

スクールのほかに、介護施設や福祉系の専門学校などに通う方法もあります。
開催場所や日程、費用は機関によって異なりますが、スクールと比べて比較的安く済むケースが多いです。

また、ハローワークや自治体に問い合わせると、実施している機関を紹介してもらえます。一定の条件を満たさなければ受講できないケースもありますが、利用できる制度も解説していきますので、このまま記事を読み進めてみてください。

介護職員初任者研修のカリキュラム

科目名		学習時間
1.職務の理解		6時間
2.介護における尊厳の保持・自立支援		9時間
3.介護の基本		6時間
4.介護・福祉サービスの理解と医療の連携		9時間
5.介護におけるコミュニケーション技術		6時間
6.老化の理解		6時間
7.認知症の理解		6時間
8.障害の理解		3時間
9.こころとからだのしくみと生活支援技術		75時間
10.振り返り		4時間
合計		130時間

上記のほか、研修の終わりに1時間ほどの修了試験があります。
また、研修中はレポート課題の提出も必要です。

介護職員初任者研修を取るために知っておくこと

介護職員初任者研修に際して、以下の3点について知っておきましょう。

• 期間
• 費用
• 難易度

期間

介護職員初任者研修の時間数は、130時間と決められています。そのため、学習の進め方によって、修了までの期間が異なります。
もし、毎日研修があり、すべてに参加できるのであれば早く資格を取れますが、週末や夜しか受講できない場合は、そのぶん時間がかかります。

最短で資格を取りたい場合は1ヶ月〜1.5ヶ月のコース、じっくり時間をかけて学ぶなら2〜4ヶ月のコースを選ぶと良いでしょう。
研修をおこなうスクールや施設によって時間割が決まっているので、事前に確認しておきましょう。

費用

介護職員初任者研修の費用は、実施するスクールや機関によって異なります。一般的には、テキストなどの教材費を含めて5万円台から8万円台が多いです。スクールによっては10万円を超える場合もあります。

研修する場所によっては、通う際の交通費も必要です。研修だけでなく、電車やバス、ガソリン代などの費用も含めて費用を計算しておきましょう。

難易度

難易度はそれほど高くありません。合格ラインは明らかにされていませんが、おおむね70%程度と言われています。

筆記試験では選択問題がほとんどですが、記述式も一部あります。研修にしっかり取り組んでいれば解ける問題ばかりなので、安心してください。

介護職員初任者研修は、もし不合格だったとしても、合格するまで再試験を受けられます。つまり、合格率はほぼ100％の研修なので、あまり不安にならずに学習に取り組んでいきましょう。

介護職員初任者研修で使える4つの制度

介護職員初任者研修は、決して低額な研修ではありません。数万円の出費はつらい、と感じる人もいるでしょう。
介護職員初任者研修には、4つの制度の対象講座となっており、適用されれば費用を抑えられます。

それぞれ対象となる人が異なるため、窓口で確認が必要です。

順番に解説していきます。

公共職業訓練

公共職業訓練は、失業中の方が無料で職業訓練を受けられる制度です。対象者は雇用保険を受給するハローワークの求職者で、就業を希望している人の再就職を支援するために提供されています。

研修は無料ですが、テキスト代は別途必要です。
一定の条件を満たせば、生活支援として手当を受け取れるケースがあるため、経済的な負担はかなり軽減できます。

求職者支援制度

求職者支援制度は、雇用保険を受給していない求職者向けの制度です。公共職業訓練と同様、テキスト代の負担だけで介護職員初任者研修を受けられます。

月収が8万円以下などの条件を満たす場合は、職業訓練受講給付金が受け取り可能です。
求職活動はハローワークのサポートがあるため、経済面や就職に不安を抱える人にとって、心強い制度といえるでしょう。

特定一般教育訓練給付

特定一般教育訓練給付金は、ハローワークが窓口となる制度です。対象講座の受講が終わり、支給申請の後、費用の50%（上限25万円）が支給されます。
制度が適用される教育訓練は16,000講座にのぼり、介護職員初任者研修も対象です。

特定一般教育訓練給付を受けるには、雇用保険の受給期間などの条件を満たす必要があります。最寄りのハローワークに問い合わせてみましょう。

自立支援教育訓練給付金

自立支援教育訓練給付金は、自治体が窓口となる給付金制度です。ひとり親家庭の父親・母親が、就労に必要な技能を習得するための費用を支給します。
対象となる研修・講座の費用60%（上限20万円）が支給されます。

窓口は都道府県、市区町です。給付を受けるには条件があるため、市役所などに問い合わせて、対象かどうかの確認や、事前相談が必要です。

介護職員初任者研修を取るメリット

介護職員初任者研修のメリットは以下のとおりです。

• 身体介護ができる
• 応募できる求人が増える
• 収入がアップする可能性がある
• 家族の介護にも役立つ知識が得られる

1つずつ解説していきます。

身体介護ができる

介護職員初任者研修を取ると、ご利用者様の身体介護ができるようになります。
身体介護とは、食事や入浴、排泄の介助など、実際にご利用者様の身体に触れながらのサポートです。

介護の仕事は無資格でもできます。しかし、ご利用者様の身体介護に関しては、有資格者のみとする職場も少なくありません。

介護職員初任者研修では、ご利用者様の尊厳と安全を守りながら介助する方法を学べます。知識とスキルが身につき、現場でも自信をもって介護業務に取り組めるでしょう。

応募できる求人が増える

応募できる求人が増えるのもメリットです。無資格でも働ける職場はありますが、介護職員初任者研修の修了者を優遇する施設は少なくありません。

訪問介護やサービス付き高齢者向け住宅など、資格が必須の職場もあるため、介護職員初任者研修を取っておけば活躍の場が増えるでしょう。

転職サイトや転職エージェントを利用する際にも、有資格者であると伝えておけばより多くの求人を紹介してもらえます。

収入がアップする可能性がある

介護職員初任者研修を取ると収入アップが期待できます。介護施設や医療機関の多くは、資格の有無によって基本給や手当に違いがあるためです。

介護職員初任者研修を修了すると、資格手当がつき、無資格の場合よりも給与面で優遇される傾向にあります。夜勤に入る場合は、夜勤手当の上乗せがある介護施設や医療機関もあるため、さらに収入が上がるでしょう。

筆者の場合は、無資格者の夜勤が禁じられていました。夜勤を経験したかったので、入職してすぐに介護職員初任者研修を取っています。修了した翌月から資格手当がつき、さらにパートから正職員にしてもらった経験があります。

家族の介護にも役立つ知識が得られる

介護職員初任者研修は、仕事だけでなく家族の介護にも役立ちます。

高齢化が進む中、両親や祖父母の介護が必要になるケースも増えています。介護職員初任者研修を通じて介護の基礎を身につけておくと、家族をサポートする場面での負担を軽減できるでしょう。

また、介護サービスの選び方や福祉制度についても学べるため、家族の介護が必要になったときも慌てずに対応できます。

筆者が介護職員初任者研修を受けていたとき、クラスメイトの中には「親の介護のために受ける」とおっしゃっている方が複数いました。
また、タクシーの運転手さんなど、介護の仕事には直接関係のない方も「必ず役立つことだから」と学ばれていたのが印象に残っています。

介護職員初任者研修の取り方でよくある質問

ここからは、介護職員初任者研修についての質問に回答していきます。

働きながら取れますか？

働きながらでも、介護職員初任者研修は取れます。ただし、研修を受ける場所によって曜日や時間が決まっているため、仕事との調整は必要です。

現在、介護の仕事をしている人は、職場に研修を受けたい旨を相談してみましょう。シフトの調整や業務の見直しを検討してくれるでしょう。また、職場によっては実際に介護職員初任者研修を実施しているところもあります。

筆者は、医療機関に介護職員として無資格の状態で入職しました。運良く系列の介護施設で介護職員初任者研修がおこなわれることになり、シフトを調整してもらい資格を取りました。
職場が医療・介護関連であれば、融通が利きやすい可能性が高いです。一度相談してみましょう。

介護福祉士実務者研修との違いは？

介護福祉士実務者研修は、介護職員がさらにスキルアップするための、450時間に及ぶ研修です。
介護福祉士国家試験の受験資格を得るには、介護福祉士実務者研修の修了が条件となる場合があります。

「実務経験ルート」では「実務経験3年以上（もしくは520日以上）＋介護福祉士実務者研修の修了」で国家試験の受験資格を得られます。

介護職員初任者研修を経て、実際に介護職としての経験を積めたらチャレンジしてみましょう。

スクール選びのポイントは？

介護職員初任者研修のスクール選びは、以下のポイントを考慮してみてください。

介護職員初任者研修は、少なくとも89.5時間はスクールで受講する必要があります。そのため、通いやすい距離にあるかどうかが大切です。

自宅から近いスクールを複数ピックアップして、費用を見比べてみましょう。スクールによって料金に差があります。近隣のスクールが高額だと感じたら、国や自治体の制度を利用できるか問い合わせてみるのがおすすめです。

働きながら研修を受けたい人は、仕事が休みの日に受講できるかも調べておきましょう。
とくに、平日が仕事の場合は土日でも研修が受けられるスクールでなければ、修了までに時間がかかってしまいます。

自宅で受けられるオンライン研修の時間数も見つつ、できるだけ効率良く研修を進められるスクールを選んでいきましょう。

まとめ

介護職員初任者研修は、全130時間に及ぶ研修です。
スクールもしくは介護施設などの実施機関へ通ったり、一部オンラインでも受講できます。

これから介護職を探そうと思っている人は、取得しておいて損はありません。
介護職は無資格でも就職可能な仕事ですが、実際にご利用者様の身体介護をするには、介護職員初任者研修で介護の基礎を身につけておくのがおすすめです。
資格があれば、応募できる求人数がぐっと増え、仕事の幅が広がります。

「介護転職のミカタ」は、これから介護職員初任者研修を受けて介護の仕事を探したい方をサポートします。
どのような求人があるか問い合わせるだけでも大丈夫なので、お気軽にご連絡ください。