「仕事が覚えられず使えないと思われていそうで不安」と悩んでいる新人介護職員の人もいるのではないでしょうか。
不安な気持ちのまま、悶々と過ごしていてはモチベーションが下がる一方です。
そこで、本記事では、使えないと思われてしまう可能性のある介護職員の特徴や、使えないと思われないための方法などを筆者の経験を踏まえて解説していきます。
記事を読んで、新人ならではの悩みを解決し、堂々と仕事ができるようにしていきましょう。
この記事の内容
使えないと思われてしまう介護職員の特徴は?
使えないと思われてしまう介護職員の特徴は大きくわけて4つです。
ここからは、使えないと思われてしまう可能性のある介護職員の特徴4つについて解説していきます。
- 時間を守らない
- いつまで経っても仕事が覚えられない
- リスク管理ができない
- 報・連・相ができない
1つずつ解説していきます。
時間を守らない
時間を守らない介護職員は、同僚や上司に使えないと思われてしまう可能性が高いです。
社会人として時間を守ることは大切なルールだと認識している人が多く、それを破る人に対しては「社会人としてなっていない」とレッテルを貼りがちだからです。
また、遅刻したり、休憩時間を過ぎても勤務に入らなかったりすると周りの職員にも迷惑がかかります。
逆に言えば、時間を守ることで社会人としての信頼を勝ち取ることができます。
遅刻ばかりしてしまっているという人は、ぜひ明日から時間を守るように心がけていってください。
いつまで経っても仕事が覚えられない
仕事をいつまでも覚えない介護職員も使えないと思われてしまう可能性が高いです。
新人職員が仕事を覚えないことで先輩職員の負担が増えてしまうからです。
ご利用者様への個別対応の方法や業務の流れなど、介護現場では覚えることが多くあります。
短時間で仕事を全て完璧に覚えるのは難しいため、焦る必要はありません。
しかし、時間が経っても仕事を覚えられていないのに「これでいい っか」と投げやりになってしまうのは考えものです。
仕事が覚えられないと感じている人は、メモをとったり、先輩職員に質問するなどして、早く流れを習得できるように心がけていきましょう。
リスク管理ができない
リスク管理ができない介護職員も使えないと思われてしまう可能性があります。
ご利用者様の安全を確保することは介護職員にとって大切な役割であり、それができていない職員には危なくて仕事を任せられないからです。
例えば、ご利用者様の様子をよく見ていない、転倒させるリスクが のあるものを床に置くなどです。
介護はご利用者様の命と隣り合わせであることから、さまざまなリスクを回避しながら仕事を進める必要があります。
ご利用者様を介助するうえで想定されるリスクを理解し、慎重に対応ができるとベストです。
報・連・相ができない
報告や連絡、相談ができない介護職員も使えないと思われがちです。
介護現場において報告・連絡・相談は大切な仕事の一部だからです。
ご利用者様の生活の安全を守るために職員間の連携は欠かせません。
そのために大切なのが報告や連絡、相談です。
ご利用者様に異変を感じたときや一人で判断できないときには、必ず他の職員に報告や相談をしましょう。
ご利用者様から見て使えないと思われてしまう職員の特徴は?
ご利用者様から見て使えないと思われてしまう可能性のある介護職員の特徴は共通しています。
そこで、ここからはご利用者様から見て使えないと思われてしまう介護職員の特徴を紹介していきます。
- いい加減である
- 言葉遣いが悪い
- 介助が乱暴で恐怖心を与える
1つずつ紹介していきます。
いい加減である
いい加減な対応をする介護職員は、ご利用者様から使えないと思われてしまう可能性があります。
正確性に欠けるいい加減な対応をする介護職員には、安心して介助をお願いできないからです。
介護をするうえで大切なのはご利用者様から信頼をされることです。
しかし、約束を守らなかったり、嘘ばかりついていたりするとご利用者様から信頼を失ってしまいます。
ご利用者様もいい加減な対応をしている介護職員のことはわかりますので、信頼関係を築くうえでも誠実な対応を貫くことが大切です。
言葉遣いが悪い
言葉遣いが悪い介護職員は、ご利用者様から良い印象を持たれず使えないと思われてしまうかもしれません。
丁寧な態度で接することは介護のプロとして当然のことと認識されているからです。
タメ語などの雑な言葉遣いやふさわしくない態度で接していると、ご利用者様に不快感を与え、社会人としての人間性も疑われてしまう可能性があります。
相手の気持ちを考え、思いやりのある言葉遣いや対応をすることが大切です。
介助が乱暴で恐怖心を与える
介助が雑で乱暴な介護職員もご利用者様に良い印象を与えません。
それどころか、乱暴な介助を繰り返していると、事故を発生させるかもしれません。
介助拒否をされる場合、ご利用者様の気難しい性格が原因ということもありますが、介護職員の介助が乱暴すぎるあまりに恐怖心を与えている可能性もあります。
ご利用者様に安心感を与えることを意識して、介助は丁寧に行うようにしましょう。
「使えない介護職員と思われたかもしれない」と感じた時には?
使えない介護職員と思われたかもしれないと感じたときには、焦ってしまうものかもしれません。
しかし、そんなときこそ冷静になることが大切です。
ここからは、使えない介護職員と思われたかもしれないと感じたときの対処法を解説していきます。
- 本当にそうであるか整理して考えてみる
- 思い当たる節があれば紙に書きだし、改善策を考えてみる
- 自分だけで解決できなかった場合は、同僚や上司に相談してみる
順番に見ていきましょう。
1.本当にそうであるか整理して考えてみる
使えない介護職員と思われたかもしれないと感じたときには、ショックを受けてしまうものでしょう
ショックを受け、ずるずるとその感情を引きずっているだけでは、モチベーションが低下してしまい良いことはありません。
まず、「使えないと思われてしまった」のは事実であるかどうか冷静に考えてみるようにしましょう。
大半は思い過ごしであることが多いです。
しかし、「使えない介護職員と思われたかもしれない」と不安になるということは、ご自身になにか思い当たる節があるのかもしれません。
実際には「使えない」とは思われていなかったとしても、自身の「不安」や「できていないと思っている部分」と向き合うことは大切です。
ぜひ、ショックを受けるだけに留まらず、冷静になってこれまでの姿勢を振り返ってみてください。
2.思い当たる節があれば紙に書き出し、改善策を考えてみる
冷静に振り返った後、不安な部分があることがわかったら、それを今度はより明確なものにしていきましょう。
「できていないかもしれない」と思う部分は、自分 ご自身にとっての「伸びしろ」である可能性が高いからです。
不安な部分を明確にしていくことで、より具体的な解決策をみつけやすくなります。
例えば、「移乗介助の力の入れ方があ 合っているか不安」と思えば、ボディメカニクスについて勉強するのがおすすめです。
課題を明確にして、ご自身が起こすべきアクションを考えていきましょう。
3.自分だけで解決できなかった場合は、同僚や上司に相談してみる
整理したり、解決策を考えてみたりしても、悩みが解消されないこともあるでしょう。
そういった場合は、同僚や上司に相談するようにしましょう。
自分で解決できないことをいつまでも考えていても悶々としているだけで、時間だけが過ぎていってしまう可能性があります。
同僚や上司に相談してしまったほうが早く解決することもありますので、そういった場合には遠慮なく相談するようにしましょう。
【印象アップ】使えない介護職員と思われないための方法
使えない介護職員と思われている気がしても、必要以上に不安になることはありません。
印象をアップする方法を知っていれば、その不安を払拭できるからです。
そこで、ここからは、使えない介護職員と思われないための方法4つを紹介していきます。
- 先輩職員のタイミングを見計らって質問する
- 一度言われたことはメモして、忘れそうなばあいは自宅で復習する
- できないことやわからないことは先に先輩職員に共有しておく
- ご利用者様の情報を理解しておく
1つずつ見ていきましょう。
先輩職員のタイミングを見計らって質問する
先輩職員に質問をするときには、タイミングを見計らうことが大切です。
不適切な時間やタイミングで質問をしてしまうと、先輩職員に負担をかけてしまう可能性があるからです。
例えば、ご利用者様の対応中や多忙な時間などは避け、少し余裕のありそうなときに声をかけるのが良いでしょう。
空いている時間がわからないときには、先に質問内容を伝えてアポをとっておくと、後でタイミングが良いときに答えてくれるでしょう。
一度言われたことはメモして、忘れそうな場合は自宅で復習する
一度教えてもらったことは、できるだけ覚えるようにしましょう。
何度も同じことを聞いてしまうのも、先輩職員に負担をかけてしまうからです。
忘れそうなときには、メモを取ることをおすすめします。
また、メモは取りっぱなしではなく、自宅で復習することを習慣づけると早く仕事が覚えられます。
無理をする必要はありませんが、メモを取るのは難しいことではありませんので、簡単なことから少しずつ覚える努力をしていきましょう。
できないことやわからないことは先に先輩職員に共有しておく
できないことやわからないことは先輩職員に共有しておくことも大切です。
先輩職員は、あなたが何に対してできず困っているのかがわかっていない可能性があるからです。
そういった場合は、先に共有しておくことで、先輩職員にできないことを理解してもらえるでしょう。
理解してもらえると、先輩職員もフォローしやすくなるため、お互いに安心して仕事を進めることができます。
ご利用者様の情報を理解しておく
ご利用者様の情報を理解しておくことも結果的に印象アップに繋がります。
ご利用者様の情報が頭の中に入っていると、申し送りの内容が理解しやすく的を得た質問がしやすいからです。
また、ご利用者様の情報を理解していることが先輩職員に伝われば、「情報をきちんと把握し努力している人」と見なされ印象が上がる可能性があります。
仕事がうまく回せず悩んでいる人は、まずはご利用者様の情報を理解することから始めるのもおすすめです。
【元介護職員が回答】新人介護職員のよくある悩み
筆者も介護職員として働いていて、悩むことはよくありました。
特に新人時代は多くのことに悩み、そして乗り越えてきたと思っています。
ここからは、筆者の経験を元に、新人介護職員の方のよくある悩みに対しての解決案を紹介していきます。
職員の輪の中に入っていけない
介護の仕事をはじめたけど全然馴染めない、既存職員の輪の中に入っていけないという悩みはよく聞きます。
輪の中に入っていけないと、自分だけ取り残されたような感覚になり不安になってしまうものだと思います。
しかし、心配はいりません。
輪の中に無理に入っていく必要もありませんし、長く勤めていけば先輩職員もあなたに慣れ、自然と話しやすい環境に変わっていくので問題ありません。
ただし、業務に必要な報告・連絡・相談は欠かさず行うようにしましょう。
筆者も、職場の輪の中に入っていくのに1年くらいは時間がかかったと思います。
馴染みやすさは人それぞれなので、自分のペースで「人」よりまずは「仕事」に慣れていくようにシフトすれば良いでしょう。
メモをとるタイミングがわからない
介護現場で仕事を覚えようとしてメモを取る場面は多いと思います。
しかし、そのメモを取る良いタイミングがわからないというのも新人職員のよくある悩みです。
例えば、入浴介助中に先輩職員の介助方法をメモしようとすると、ご利用者様に不快感を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。
入浴中のご利用者様の目の前でメモをすることで「私の個人情報を勝手に記載している」と思われてしまう恐れがあります。
メモは、対応がひと段落してからご利用者様の見えない位置で記載するのが適切です。
質問をしたら嫌な顔をされた
先輩職員に業務のことを質問したら嫌な顔をされたという悩みもよく聞きます。
覚えるために必要なことを質問したのに、嫌な顔をされたり、そっけない態度をとられたりするとショックを受けてしまうものです。
しかし、嫌な顔をされてもさほど気にすることはありません。
質問に答えるのも大切な仕事です。
それを放棄するのはその先輩職員のスキル不足か性格に問題がある可能性が高いです。
しかし、一方で嫌な顔をされるのには理由がある場合もあります。
例えば、同じ質問を何度もしたり、少し想像すればわかるようなことを考えることもなく聞いてきたりすると誰でも疲れてしまうかもしれません。
なんでも質問をしがちだったという人は、先輩職員の気持ちにも配慮しつつ、自分で調べてわかる範囲のことは答えを出したうえで確認する方向にシフトすると良いでしょう。
「使えない介護職員かもしれない」と思った新人時代の経験談
筆者も新人介護職員のときに、「使えないと思われているのではないか」と心配になったことがあります。
仕事がうまくこなせなかったり、既存職員の輪の中にうまく入っていけなかったりしたからです。
同時期に入職した職員は、上手く環境に馴染めているように見えて、余計に焦ることもありました。
しかし、しばらくしてから、その職員と話しをしたときに、筆者と同じようなことで悩んでいたことを知りました。
隣の芝生は青いとはよく言ったものですが、「あの人はうまくいっていそう」「悩みがなさそう」と自分だけ取り残されたように感じても、実はみんなそれぞれ仕事に対して悩んでいるものです。
馴染むことや仕事を覚えることのスピードは人それぞれです。
「使えないと思われているかもしれない」と悩んだとしても、人と比較することなく、ご自身のペースで解決策を見出していくことが大切だと思います。
まとめ
使えないと思われているかもしれないと感じても、だいたいは思い過ごしです。
しかし、不安に感じたとしたら、それは介護職員として成長するチャンスかもしれません。
不安に感じた理由を明確にし、自分なりの解決策と向き合うことで、できることが一つずつ増えていくでしょう。
不安に感じてもネガティブな感情で終わらせず、成長のチャンスだと割り切って前向きに仕事と向き合っていくことが大切です。
この記事を書いたのは・・・
中村 亜美/Webライター
保有資格:介護福祉士
特別養護老人ホームでユニットリーダーとして11年程勤務。
その後はフリーライターとして活動中。在宅介護者や介護事業者、介護職員向けのコラム・取材記事を執筆している。