
「介護職が大変すぎてやってられない」「辞めようか迷っている」と思っている人もいるのではないでしょうか。
介護の仕事をやってられないと思ったまま、続けていくのは辛いものです。
本記事では、介護職をやってられないと思うよくある理由と悩みに合わせた解決策を、紹介していきます。
記事を読めば、介護職に対しての悩みの解決方法がわかり、安心して未来に向かって進んでいくことができるようになるでしょう。
この記事の内容
介護職をやってられないと思うよくある理由4つ
介護は素晴らしい面がある仕事である一方で、ときどき「やってられない」と思ってしまう人もいます。
なぜ、そう思ってしまうのでしょうか。
ここからは、介護職をやってられないと思うよくある理由を4つ紹介していきます。
給与に不満がある
介護職をやってられないと思ってしまうよくある理由の一つが、給与面の不満です。
給与は生活に直結することなので、そこに不満を持ち始めると辞めたくなってしまうでしょう。
例えば、仕事の負担に対する対価が少ないと感じる、または思っていたより昇給しないなどの不満です。
こういった不満が募れば、介護職をやってられないと思ってしまうのも無理はありません。
介護業界内で給与等の条件がよい職場もありますが、一方で不十分な待遇環境になっている職場もあるため、このような不満が出るのでしょう。
人間関係が悪い
職場の人間関係が悪くやってられないと感じる声もあります。
毎日働くうえで、職場の人間関係は重要なポイントとなるため、うまくいかないと仕事自体が嫌になってしまうものです。
よくある職場の人間関係の悩みは次のとおりです。
- お局職員に嫌味ばかりを言われる
- うまく連携がとれない
- 職員同士の仲が険悪で職場全体の雰囲気が悪い
このような悩みを抱えていると、仕事が嫌になってしまうでしょう。
介護の仕事は、職員間の連携が必須となるため、関係が悪化すれば働きにくくなり必然的に仕事を辞めたくなってしまうのです。
職場の方針が理解できない
職場の方針が理解できないことも、介護職をやってられないと思ってしまうよくある理由の一つです。
職場の方針に対し、自分の考えと合わないと感じたまま仕事をすることが苦痛に感じてしまうからでしょう。
例えば、「ゆっくりとした介護ケアがしたい」と思っているのに対し、職場の方針が効率を重視しすぎるものであったとすれば、考え方にズレが生じてしまいます。
方針と想いが合わず、仕事が続かなくなってしまう人も一定数います。
負担が重すぎる
介護の仕事の負担が重すぎて、介護職を嫌になってしまう人もいます。
仕事の負担が重すぎると心身ともに疲れてしまい、介護職に対し負の感情を持ってしまいやすくなります。
介護職員が感じやすい負担については、具体的に次のとおりです。
- 責任が重い
- 1日の仕事量が多すぎる
- 職員一人当たりの負担が大きすぎる
- 介助量が多い
人手不足により、多忙であると職員に負担がかかってしまいます。
また、職員一人あたりに対する負担が大きすぎると、それを抱えきれずにパンク状態になってしまい、介護職を辞めたくなってしまうこともあるでしょう。
【悩み別】介護職をやってられないと思ったときの解決策
介護職をやってられないと思ったときは、悶々とした気持ちが続いてしまうものです。
その状況から脱却するためには、解決策を知りたいところだと思います。
ここからは、介護職をやってられないと思ったときの悩み別に、その解決策を紹介していきます。
【給与に不満がある場合】上司に交渉する
給与に不満がある場合は、上司に相談してみるのも一つです。
なぜなら、給与に関しては不満に思っているだけでは改善されない可能性が高く、解決したい場合には上司に相談する必要があるからです。
ただし、闇雲に給与の交渉をするのはおすすめしません。
ただ「基本給を上げてほしい」とお願いするだけでは、交渉は成立しない可能性が高いからです。
給与の交渉をする場合は、基本給を上げてもらうのではなく、手当をつけてほしいとお願いしてみるとうまくいく可能性があります。
例えば、介護職でもらえる可能性がある手当は次のとおりです。
- 住宅手当
- 皆勤手当て
- 資格手当
また、上司は「給与を上げてでもこの人に働き続けてほしい」と思った場合に動いてくれます。
上司の心を動かすためには、真摯に仕事に取り組み「必要な人材」と思われるようになる必要があります。
交渉をするうえで、真面目な仕事ぶりが重要となることはあらかじめ心得ておきましょう。
【人間関係が悪い場合】原因を考えて対策する
人間関係が悪い場合は、原因をまず考えてみましょう。
スタッフやご利用者様との人間関係が悪いと感じる場合、なにかしらの原因があるはずです。
例えば、人間関係の悪化で考えられる原因は次のとおりです。
- 自分か相手のどちらかが細かいことを気にしすぎている
- 自分か相手のどちらかが感情のコントロールができていない
- 伝えたい内容がうまく伝わらず、コミュニケーションが円滑にいかない
- 自分か相手のどちらかが無神経で悪気なく傷つくことを言ってしまう
たいていの場合、自分か相手のどちらかが感情的であったり、無神経な発言をしてしまったりして関係が悪化していく傾向にあります。
お互いに相性が悪いと、それが顕著に出やすいでしょう。
職員間の仲がうまくいっていない場合、自分と相手の性格を分析し、何に原因があるかを考えていくことが大切です。
そのうえで解決できない場合は、上司や同僚に相談してみるようにしましょう。
また、介護職員同士のコミュニケーションを円滑にする方法については、こちらの記事をチェックしてみてください。
【職場の方針が理解できない場合】自分の大切にしたい考えと照らし合わせてみる
職場の方針が理解できないことで悩んでいる人もいるでしょう。
そういった場合は、自分の大切にしたい考えと職場の方針を今一度照らし合わせて考えてみることが大切です。
例えば、施設の方針として、全てのご利用者様への排泄介助や食事介助を統一しているとします。
その場合、ご利用者様一人ひとりに合ったタイムスケジュールで個別対応したいと思っている人は、方針と自分の考えが合わないと感じるでしょう。
そんなときには、まず、自分が一番大切にしたい介護観を見直してみましょう。
そのうえで個別対応が何より大切だと思えば、同僚や上司に改善案を提案してみるとよいかもしれません。
改善の見込みがなければ、今の職場は合わないものとして、転職を検討するのがおすすめです。
【負担が重すぎる場合】シフト調整の相談をする
職員一人に対する負担が重すぎて、介護の仕事が嫌になっている場合は、その旨を上司に相談しましょう。
仕事の割り振りやシフトの調整で、解決する可能性もあるからです。
上司に相談しても、人手不足により解決が難しければ、転職を検討するのも手です。
無理して働き続けると、心身の体調を壊してしまう可能性もあります。
生活に支障が出るほどの不調を感じたら、休むか転職を検討してみてください。
介護の仕事を続けるメリット
「やってられない」と一時的に思ったとしても、介護の仕事を続けるメリットは多いです。
ここからは、介護の仕事を続けるメリットを紹介していきます。
- 給与が上がる可能性がある
- 勤務年数が長いと信頼につながる
- 慣れた環境で働き続けることができる
ひとつずつ見ていきましょう。
給与が上がる可能性がある
介護の仕事を続けるメリットの一つは、給与が上がる可能性があるということです。
介護職の処遇改善は、これまでも定期的に行われてきました。
それにより、勤務年数の長い介護職員に対し、給与面などの条件を優遇しやすくなったのです。
また、長く勤めることで昇進できる可能性もあります。
リーダーや主任などに昇進できれば、給与が上がりやすくなるでしょう。
勤務年数が長いと信頼につながる
同じ職場に長く勤めることで、信頼されやすくなります。
職場内でも「長期間勤めてくれている人」と認知されるようになるでしょう。
職場の管理者の本音は、介護職員には、できるだけ長く続けてほしいと思っている傾向にあります。
長く従事した職員に対し、「長く職場に貢献してくれた」と評価をする管理者は多いものです。
職場に喜ばれる存在、そして頼られるような存在になれるのが大きなメリットです。
慣れた環境で働き続けることができる
介護の仕事を続けることで、環境を変える必要がなく、安心感を持って仕事ができるようになります。
なぜなら、同じ職場で働き続けると、新たに人間関係を築いたり、仕事を覚えたりする必要がないからです。
特に仕事の流れや人間関係などは、職場を変えれば、また一からはじめる必要があり、それがストレスになってしまうこともあります。
慣れた環境で働き続けると自分らしさが出しやすくなり、気持ちよく働けるでしょう。
介護職から転職を考えるときのポイント
介護職から転職を考えるときには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
ここからは、介護職から転職を考えるときのポイントを解説していきます。
悩み改善の見込みがなければ転職を視野にいれよう
悩みの原因を分析し、解決策を試してみても、改善の見込みがないこともあるでしょう。
そういった場合は、転職を視野に入れるのがおすすめです。
悩みの内容によっては、職場内で解決することが難しいこともあるからです。
例えば、給与面に悩んでいた場合、上司に交渉しても取り合ってもらえないこともあります。
そういった場合は、無理に仕事を続けようとする必要はありませんので、前向きに転職を考えていくようにしましょう。
介護職から転職するのにおすすめな職種
他の業種に転職するのが不安な人は、介護業界内の他の職場で働くことを検討してみてもよいかもしれません。
介護職の中でも、職種や施設形態により、はたらき方は大きく異なります。
例えば、特別養護老人ホームの介護量の多さに悩み、仕事を辞めた人であれば、比較的介護量の少ない住宅型有料老人ホームやケアハウスなどに転職してみるのがおすすめです。
悩みによって、転職すべき職場が変わってきますので、今一度自分の悩みと向き合い、介護業界内で適切な職場はないか探してみるのがよいでしょう。
介護業界内での転職を考えている場合は、ぜひ介護転職のミカタで求人探しをしてみてください。
また、介護職から他職に転職する場合、おすすめな職種は営業職や製造業などです。
営業職は、介護の仕事で培ったコミュニケーション能力を活かすことができます。
逆に介護職とは全く違う環境で、作業を淡々とこなしたい人には、製造業などがおすすめです。
介護職をやってられないと思ったときのよくある質問
ここからは、介護職をやってられないと思ったときのよくある質問とその回答を紹介していきます。
退職はどのタイミングで伝えるのがよいですか?
退職のタイミングは、一辞める2か月前くらいに伝えるのが一般的です。
ただし、職場によって退職の規定は違います。
退職前に規定を確認しておくようにしましょう。
また、退職は多忙な時期を避けたほうがスムーズです。
特に12月や3月などは、多忙な時期である可能性が高いので、スムーズに辞めたい場合は、他の時期を選択するのがおすすめです。
介護業界内での転職でもよい職場はありますか?
介護業界内でも、よい職場はもちろんあります。
希望によって転職すべき職場は異なりますので、まずは求める条件を整理してみましょう。
また、介護サービス種別のそれぞれの特徴を掴んでおくのもおすすめです。
介護の資格を持っているなら、それを活かすことができる介護業界内での転職がスムーズかもしれません。
介護施設の種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事も記事をぜひチェックしてみてください。
まとめ
介護職をやってられないと思ったときには、その悩みに沿った解決策を試してみることをおすすめします。
解決策を試してみても、改善の見込みがない場合は、記事を参考に転職を検討しましょう。
転職先は、介護の資格が活かせて、なおかつご自身の希望に合うような職場を選ぶのが理想的です。
自分に合った働き方で、「やってられない」という気持ちを払拭し、前向きに仕事ができる環境へと変えていきましょう!
この記事を書いたのは・・・

中村 亜美/Webライター
保有資格:介護福祉士
特別養護老人ホームでユニットリーダーとして11年程勤務。
その後はフリーライターとして活動中。在宅介護者や介護事業者、介護職員向けのコラム・取材記事を執筆している。