「介護の仕事がしたいけど負担感が心配」「働きやすい施設に転職したい」と思っている人もいるのではないでしょうか。
そのような思いがあるにも関わらず、「介護職は大変そう」と決めつけ新たなチャレンジを諦めてしまうのはもったいのないことです。
本記事では、筆者の経験を元に、介護職で比較的働きやすい施設や種別ごとの楽ポイントを紹介していきます。
また、働きやすい施設の選び方も解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
【介護福祉士が解説】そもそも介護職って楽なの?
介護職の仕事が楽かどうかは、職場や本人の感覚で決まります。
本人が働きやすい環境であるときに「楽な職場」と感じるでしょう。
また、仕事の施設の方針や風通しのよさによっても働きやすさは左右されます。
筆者は介護の仕事を10年以上続けてきました。
10年以上仕事を続けることができたのは、ある程度自分に合っている職場を探すことができ、大変すぎない環境に身を置けたからだと思います。
つまり、楽な介護の職場で働きたいのであれば、自分と相性がよいかが大切なポイントになるということです。
施設によっては楽といわれることもある?
介護の仕事は、一般的に楽とは言えないかもしれません。
入浴や排泄介助などは身体的な負担を伴いますし、急変や転倒リスクがある利用者様の見守りは責任が重く精神的に負担を感じやすい傾向にあるからです。
しかし、同じ介護職でも、施設やサービスの種別により仕事内容は異なります。
例えば、介護度が比較的軽めな利用者様が集まる住宅型有料老人ホームであれば、介護度が高めな特別養護老人ホームより介助量が少ないことが多いです。
一方で理解度が高いゆえに関係に摩擦がうまれやすく、利用者様への接遇に関しては気を遣う必要があります。
種別や施設の色により気を遣う部分が異なるため、その人が得意か不得意かで働きやすさは決まると筆者は思います。
どういう施設が楽と言われるのか
実際にどういう施設が楽と言われるのでしょうか。
ここからは、楽と言われている施設の特徴を紹介していきます。
#身体の負担が少ない
介護業務の身体的負担が少ないと仕事を続けやすいです。
なぜなら、働きやすさと業務内容の負担感は関係が深く、軽度であれば継続しやすい傾向になるからです。
特に次のような業務の負担が少ないと楽と感じられるかもしれません。
- 入浴介助
- 移乗介助
- 更衣介助
- 排泄介助
ご利用者様の介護度や状態により介助の負担は異なり、また施設のサービス種別によっても身体の負担感は違います。
例えば、比較的元気なご利用者様が多い住宅型有料老人ホームやデイサービスなどは介助量が少ない可能性もあります。
しかし、身体的に負担が少ないからといって、全てが楽であるとは限りませんので、働き方が自分に合っているかで判断することが大切です。
人間関係や雰囲気が良い
人間関係が良好で雰囲気が良い職場を楽と感じる人は多いでしょう。
介護の仕事は連携ありきとなっているため、人間関係がギスギスしていると業務自体もうまくまわらないことが多いためです。
例えば、笑顔が多く「ありがとう」などのポジティブな言葉が飛び交う職場は、比較的雰囲気がよく人間関係が良好である可能性が高いです。
人間関係が良好であれば居心地が良いと感じられるため、仕事が続けやすくなります。
介護現場での人間関係について悩みのある方は【介護業界で重要なのは人間関係!?改善のポイントと良い職場の選び方を解説】の記事を参考にしてみてください。
マネジメントが上手い
管理者や上司のマネジメントが上手い職場は、働きやすい環境といえます。
なぜなら、初心者として介護の仕事をはじめる人は多く、最初から全員にスキルが期待できないこともあるからです。
また、初心者でなく介護技術はあったとしても、連携や接客におけるコミュニケーションスキルが十分ではない職員が介護現場には一定数いるのも理由の一つです。
例えば、定期的に1on1などで目標設定をしたり、メンタルケアをしていたりする職場は職員のスキルアップに関心があり、マネジメントが行き届いている可能性があるといえるでしょう。
さまざまな職員がいる中で、統一感を持たせながら個々のスキルを上げていくためには、マネジメントが不可欠になります。
マネジメントの質が高いと職員のレベルが上がり、雰囲気もよくなるため、働きやすさが増します。
職場の業務や環境改善など姿勢が前向き
職場の業務や環境改善など姿勢が前向きな職場は、長期的にみて働きやすい環境となっていくでしょう。
なぜなら職員からのニーズに合わせ柔軟に変化ができる職場は、課題解決力が高く、よりよい職場環境へと変えていける力があるからです。
反対に保守的な考えばかりが強く、極端に変化を嫌う職場は、成長がとまりがちです。
例えば職員からの意見箱を設置し、環境の見直しを図っているような職場は環境改善に対し前向きである可能性があります。
職員が配置基準通り
施設規模に対して職員数に比較的余裕のある職場は、働きやすいでしょう。
なぜなら、職員数に余裕があるということは、離職率が低く定着率が高い可能性があるからです。
例えば、特別養護老人ホームのユニット型であれば、1ユニットに日中4〜5人程度職員がいれば比較的余裕のある人員配置といえます。
待遇など環境が整っている職場ほど、職員は集まりやすいです。
職員の数も働きやすさを図るうえで大切なポイントであるといえます。
心理的安全性が高く企画などを提案しやすい
一人ひとりの主体性が磨かれて働きやすいのは、心理的安全性が高い施設です。
心理的安全性とは疑問や質問、意見や失敗を表現しても拒絶や罰せられることなく安心感が共有された状態のことを指します。
例えば、普段声が大きくない職員がふと意見を出したときに、それを受け入れてみんなで考える体制があればそれは心理的安全性が高い施設といえます。
逆に、新人職員が質問をしたときに「そんなこともわからないの」と怒り萎縮させるような職場は心理的安全性が低い施設です。
全ての意見をそのまま採用するということではなく、大切なのは職員一人ひとりが萎縮することなく考えを表現できる雰囲気であることです。
心理的安全性が高い職場であれば、個々のスキルも磨きやすいので職場環境が楽と思えるでしょう。
筆者はこういった施設で働いていたときに負担が比較的少なく働けました
筆者は過去、特別養護老人ホームで働いていましたが、思い出しても比較的働きやすい職場だったと感じています。
なぜなら、職員数が比較的多い職場であったからです。
ユニット型の特別養護老人ホームでしたが、職員数は1ユニット6〜7人くらい配置され、日中も3〜5人くらいで仕事をしていました。
施設によっては日中でも1ユニット2〜3人で仕事をする職場も存在するため、比較的余裕があったと思います。
前職の施設で職員が集まりやすかったのは、待遇面が優遇されていたからでした。
給与面が他近隣施設に比べると少し高く、そのために職員が離職しにくかったのです。
職員数にゆとりがあると気持ちも穏やかになり、職場の雰囲気も明るく感じました。
職場の職員数や待遇は、働きやすさの大きなポイントかもしれません。
人によって楽は違う?施設別に楽な部分を解説!
人によって楽の基準は異なります。
また、施設の種別によっても、楽と感じる部分は違うと言われています。
ここからは、施設の種別ごとに人によって楽と感じる部分を解説していきますので、ぜひご覧ください。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、介護度3~5までと介護度が比較的高い利用者様が入居する施設です。
楽とはほど遠いと思われがちですが、特別養護老人ホームのほうが他種別よりも楽である可能性があります。
それは、人員体制が整っている施設もあるという点です。
特に特別養護老人ホームは社会的ニーズが高く、介護保険報酬を軸に施設利益が比較的安定しやすいのが特徴です。
人材確保は施設の体制次第で差は出ますが、施設利益の安定性から他種別よりも職員への待遇が安定しているケースもあります。
また、24時間体制で多くの人材が欲しいため、多様な働き方で仕事ができるのもポイントです。
「働ける時間が限られている」「1人で対応するのは嫌だ」と思っている人は、特別養護老人ホームへの就職を検討してみるのもオススメです。
介護老人保健施設
介護老人保健施設はリハビリと医療的管理が主軸にあるため、種別の中でも医療寄りの施設です。
そのため、他の特別養護老人ホームなどの「生活施設」寄りの施設に比べ、看護職員の人員数が厚めな傾向があります。
看護職員が常駐していて緊急時対応など協力し合えることから、安心感を持つ人もいます。
医療的体制が整っていることで安心して仕事をしたいと思う人にとっては、働きやすい施設でしょう。
グループホーム
グループホームは最大定員9名の利用者様と共に家庭のような環境下の中、認知症ケアに重点を置きながらサービス提供する施設のことです。
グループホームの働きやすさのポイントは、少人数制であるということです。
家庭的な雰囲気を演出した施設が多いため、落ち着いた雰囲気の中で仕事ができます。
職員数も少ないことが多いため責任を感じる場面は多いかもしれませんが、一方で限られた人数の中で穏やかなケアができるメリットがあります。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、基本的には安否確認や生活相談が主なサービスとされています。
そのため施設の方針次第では、介助量が少なく自立寄りの職場もあります。
ただし、サービス付き高齢者向け住宅は多様であり、利用者様の要介護度が高めの施設も多いのが現状です。
そのため、求人だけでは働きやすさが判断しづらい面も。
公式ホームページやSNS、厚生労働省が出している介護サービス情報公開システムなどで詳細確認してみるのがおすすめです。
有料老人ホーム
有料老人ホームもサービス付き高齢者向け住宅と同様で施設の方針により、雰囲気が大きく異なります。
また、有料老人ホームと一言でいっても、住宅型・介護付き・健康型と種類もさまざまです。
有料老人ホームはサービス種別による働きやすさというよりも、施設の方針との相性が大切になります。
サービス付き高齢者向け住宅で提案したのと同じ方法で、求人以外の詳細情報を確認しておくことが大切です。
楽な施設を選ぶポイント
就職をするにあたって、できるだけ仕事の負担感が高くない職場を選びたいと思うのは、自然なことです。
ここからは、楽な施設を選ぶポイントを4つ紹介していきます。
口コミをチェックする
施設の負担感を知りたい場合、口コミをチェックしてみるとよいでしょう。
口コミはその施設に関わったことがある人が書いていることが多く、見えない内情の一部がわかる可能性があるからです。
転職サイトの口コミ欄には、元職員や現職員が口コミを記載していることもあります。
特に人間関係や待遇、仕事内容などを確認することがオススメです。
ただし、口コミは匿名で記載されていることが多いため、信ぴょう性には少し欠ける部分があるのも事実です。
鵜呑みにしすぎず、参考程度に活用するようにしましょう。
求人を細かく確認する
負担感の少ない職場を選びたい場合は、求人を細かく確認するようにしましょう。
求人をみるときは給与や勤務時間などに目が行きがちですが、実は大切な情報が他にも記載されていることがあります。
特にチェックすべきポイントは次のとおりです。
- 年間休日
- 有給がつくタイミング
- サービス種別
- 業務内容
- 施設規模(職員数や利用者数)
- 理念、方針等
条件だけでなく、提供サービス内容や理念なども大切な情報になります。
求人だけではうまく情報が得られない場合は、該当施設のホームぺージやSNS、ブログなどを覗いてみるのがおすすめです。
知人から情報を得る
働きやすい職場を探したい場合は、知人から情報を得るという手もあります。
なぜなら、情報を集めるうえで誰からの発信かは大切なポイントであるからです。
知り合いからの情報であれば、ネット上の匿名ユーザの書き込みよりも信ぴょう性が増します。
例えば、LINEや電話で「就職したいのだけど評判の良い施設はないか」などと相談してみるのもよいでしょう。
その際にどのような職場が理想であるか、どんな情報が知りたいのかも一緒に伝えるようにしましょう。
コンサルタントに相談する
働きやすい職場とは、ずばり自分に合った施設です。
どんな環境があっているか自己分析できればいいですが、自分1人ではなかなか難しいと感じている人もいるでしょう。
そこで、おすすめなのが転職のコンサルタントに頼ることです。
特に介護転職のミカタのコンサルタントは、介護業界で5年以上紹介してきたベテランばかり。
安心して相談することができます。
1人で悩むことはありません。
あなたに合った職場を一緒に探してもらいましょう。
まとめ
介護施設の働きやすさは、条件ではなく自分に合っているかで決まります。
楽な条件でも、自分に合っていなければ働きやすいとはいえません。
求人の一部にとらわれず、多くの情報をチェックして冷静に選択するようにしていきましょう。
そして、自分に合った働きやすい職場をみつけたら、介護の仕事を楽しむ未来を想像しながら進んでいきましょう!
この記事を書いたのは・・・

中村 亜美/Webライター
保有資格:介護福祉士
特別養護老人ホームでユニットリーダーとして11年程勤務。
その後はフリーライターとして活動中。在宅介護者や介護事業者、介護職員向けのコラム・取材記事を執筆している。
